この現場は、戦後に建てられた家で、約築70年。
当然、電気や水道配管も70年前のものである。
それらの配線や配管は、電気を通せば通るし、水も流れるのだが、電気においては安全確認をするのが困難であるし、水道配管は、どこで漏水するか分からない。さらに古い鉄管の内部は錆だらけだ。
よって新しく引き直すことになる。
通常の建物では、配管や線が露出することはほとんどないが、リフォームの場合は、どうしても隠しきれない。
そんな時は、逆に堂々と配線や配管を通す。
これらは、電気配線。配線もラインを揃えて真っ直ぐ這わせば、それなりにカッコよく見えてくる。
電気配線には、露出配線を隠すためのプラスチックで出来たモールがあるのだが、そんなのを使うと安っぽく見えてしまうので、ここでは使わない。
この現場の電気の配線工事では、施主さん、特にグラフィックデザイナーである旦那さんのこだわりが、フルに発揮される。
スイッチ、そしてコンセントボックスは、旦那さん自ら探してきたものだ。
全ての部屋毎に異なる、陶器やステンレス、若しくは樹脂のスイッチ類。そして細部にいたるまでの配線経路の指示。
施主さんの指示図面を前に、頭を抱え込む電気工事の親方。
果たして、全てうまく指示通り取り付けることは出来るのだろうか。電気屋さんがんばれ。