斜面に建てる

さて石が据わったら、いよいよその上に家を建てる。

地元の木を使う

建築に使う材料は、施主様が切り倒した建築予定の場所に生えてた杉、そして地元の天然乾燥材を扱うもりずむから購入した杉だ。

施主様が自ら切り倒し、製材所へ運んだ丸太。

あるものを使う

それから忘れてはならないのは、施主様が独自に大量に仕入れた材木。それらは近くで廃業した建材店からきたもの。杉やヒノキだけでなく、あらゆる板や材料など、家づくりに使えそうなものをまとめて購入された。さらには、それらを加工する為の中古のプレナー(プロが使う木を削る機械)まで購入されている。さすが、ベテランのセルフビルダーは、本気度が違う。

板材の一部。これらは施主様の手によって加工され、床板となった。

プレカットと石場建て

この建物は、昔ながらの伝統構法ではなく、工場加工のプレカットを利用している。だから釘を一本も使わず・・ではなく、釘もボルトを沢山使った構造だ。しかし、厚みのある貫を何段にも通した、いわば伝統的な構造も持っている。ちなみに、工場で加工出来ない箇所が少々あり、それらはこちらで手加工した。

いよいよここに建てる時が来た

まずは少人数で奥から建てる。まだクレーン車は使わない。石の上に柱を建てて、それを足固めで繋いでいくのだ。

足固めをボルトで繋いでいく工程。
当然ながら石の高さは全て違うので、測って柱の長さで調整してある。
下の段にも柱が建った。ここまでは少人数・手作業である。
3日目の建て方本日を迎え、クレーン車と応援大工を投入。一気に屋根まで仕上げる。

家の形が出来上がって来た。

つゞく

今回材木を仕入れたところ→NPO法人もりずむ

 


石場建てに興味のある方は、こちらまでお気軽にどうぞ→お問い合わせ送信フォーム

大工歴30年、小さな工務店社長が綴る独断と偏見のBlog。 《木神楽》青山高原の麓に工房を構え、木と土の家・古民家再生・タイニーハウスなどを主に手掛ける。お役に立てることがあれば、何でもご相談を。