このおうちでのリフォーム完了後のお客様第一声が、「室内の空気が変わった!深呼吸したくなるような気持ちのいい空気だ」というものだった。果たして室内の仕上げが変わったことで、空気まで変わるのだろうか。ここではその空気の正体について考えてみたい。
ちなみにこの現場で使ったのは、床・天井に杉材、壁は漆喰塗り。ボンド類はほとんど使わずに施工した。(断熱材として天井にはスタイロフォーム、壁の一部にはパーフェクトバリアを施工)
自然素材で仕上げると、五感が気持ち良く感じる
では、自然素材で仕上げると、室内の空気が変わるのだろうか。空気成分を測定したわけでもないので実際のところは分からない。しかし人にとっては、確実に心地よい空間となるのだ!それは何なのか?ここではそれを人の五感が感じている、ということで説明してみたい。
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木の香り
何と言ってもこの木の香りがするのが気持ち良い。床と天井に貼った杉板からほのかに杉の匂いが漂う。その香りとは木の精油成分(それ以外にもあるかもしれない)であり、私たちの神経というか精神にきっと作用しているに違いない。ちなみに、この木の香り(=精油成分)は樹種によって大きく変わる。また木の乾燥方法によっても大きく変わる。
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1/fゆらぎの木目
自然界のものには、心地よいゆらぎがある。不規則であって不規則でないものと言ったらいいのだろうか。例えば小川のせせらぎであったり、ロウソクの炎のゆらぎであったり。それらは1/fゆらぎと呼ばれているらしい。人はそういうものに対して安らぎを感じる。木目もしかり、自然の木目を見ると、人は安心感、安らぎを感じるのである。
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漆喰壁の作用
漆喰は石灰をノリとスサで練って固めたものだ。漆喰には抗菌作用がり、さらに調湿・消臭作用がある。それが多少なりとも、部屋の空気を良くしているに違いない。
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無垢材の質感
フェイクでない、本物の素材で作ったものには、圧倒的な質感がある。い草の畳の柔らかさ、杉の床から感じるもの、漆喰壁の厚みなどなど。漆喰模様のクロス、コンマ何ミリに削った薄い板を貼ったフローリングにはない、どれも本物ならではの深み・素材感がある。加工品でない、自然界の素材で作られたそれらは、人の精神の安定に作用している。それが、部屋の空気が変わったように感じる一因でもあると考える。
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以上のことから、部屋の空気が変わった、いや、人が過ごしやすく気持ちよく感じる室内になったと言えるだろう。しかしどんな素材で家を作ろうとも、部屋に持ち込む家具やカーテンなども室内環境に影響する。そしてもちろん換気も必要だ。
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