木のカウンターはオイルで仕上げるのが良い

オイルフィニッシュとは木の良さを生かす塗装

オイルフィニッシュとは、いわゆる植物性のオイルを木に塗り込んで仕上げとすることを言う。一般的に、建築や家具に使うのは植物性の乾性油だ。強い塗膜が張るわけではないが、古くなるほどに木の色に深みが出て、さらに年数が経ってからでも、また上からまた塗り込むことができる。そうしていくと段々とアンティークのような渋い表面になっていくのだ。

乾性油とは

乾性油とは、乾いて固まるオイルのことを言う。荏油、亜麻仁油、桐油などがそれだ。乾性油は内部に浸透し、そこでゆっくりと固まる。普通の塗料みたいにパキッと表面に膜が張る訳ではないので当然汚れやすくもあるが、木の風合いが生きるので、無垢材には、断然オイルフィニッシュがオススメだ。汚れが気になる時はその上から蜜蝋ワックスなどを塗る。ワックスは使っていると剥がれていくので、定期的に塗り直しが必要である。

楠のカウンターを作る

さて、大阪で作ったカフェのカウンターには、木神楽秘蔵の楠(クスノキ)の板を使った。この板は曲がっていたので、真っ直ぐにすると幅が狭くなってしまう。だから曲がったなりに使うことにした。

元は12センチ厚あったが、厚すぎるので7センチくらいまで薄く削った。削った直後の板は楠特有の香りが半端ない。
節や少々の割れも味わいのうち。
厚みがあって、店内に入れるとかなりの存在感だ。ハイスツールを使うので、足元には足掛けを作ってある。
カウンターの下は漆喰仕上げ。
キッチン側には円く作ったカウンターにシンクを仕込む。
そして完成したカウンターとハイスツール。仕上げはオイルフィニッシュ。ここでは亜麻仁油を使った。
オイルを塗ると、木の色に深みが出る。これから使い込むとだんだんと良くなっていくのだ。
完成したカウンター。広くはない店内だが、カウンターを楕円にしたことで距離が伸び、5人が座れるスペースが取れた。
現在営業しているお店では、蜜を避けるため入店は3人までに制限されているので、5人は入れない。

カウンターとスツール、棚などは亜麻仁油塗りだが、床は保健所の検査があるので、水を弾くウレタン塗装となっている。カウンターの楠は、おそらく今でもいい香りを放っているはず。木の香りを消さないのもオイルフィニッシュのいいところだ。


こんな楠のカウンターのある円いカフェに、是非ともいらして下さい!と言っても現在は入店制限がある状態ではあるが。場所は大阪府阪南市箱浦1−59『海のカフェ高木』だ。営業時間などは変動があるので、Instagramを要チェックだ。 → 海のカフェ高木Instagram

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大工歴30年、小さな工務店社長が綴る独断と偏見のBlog。 《木神楽》青山高原の麓に工房を構え、木と土の家・古民家再生・タイニーハウスなどを主に手掛ける。お役に立てることがあれば、何でもご相談を。