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鳥羽の土壁の家

鳥羽の土壁の家WEB内覧会(5)最終編

鳥羽の家ご紹介もいよいよ最終章。

 

ユーティリティー

 

脱衣所、洗面、トイレがリズム良く並ぶスペース。間仕切りはもちろん古建具の再利用。
壁の板張りは旦那さん施工。こういう狭い場所は、壁に体や物が当たり易いので、板張りだと使い易い。

 

ゲストルーム

 

 

天井すぐ上は屋根だが、断熱材と通気層が取ってあり、通気窓も十分あるので、暑くはならないはず。

 

照明

 

この家の電灯は、施主さんが全てチョイスした。
幾つかのもりずむ製作のもの以外は、ほとんど全て笠松電機製作所の器具だ。

笠松電機は、昔ながらの、船舶照明・電柱に付ける傘付き照明などを、製作販売している。

無骨なデザインながら、そのしっかりとした作り、素材感、そしてリーズナブルさから、一部のコアなファンからは根強い人気のあるメーカーである。もちろん私もそのファンのひとりだ。

今回、また新たに笠松電機ファンが増えて嬉しい限りである。

 

 

 

薪ストーブ

 

最後に御紹介するのは、この家の顔でもあるストーブ。

 

岐阜の鋳鉄メーカー、株式会社岡本が製作している、針葉樹も燃やせる薪ストーブAGNI
施主さんは、岐阜まで行き、その現物を見、製作ポリシーを聞いて購入を決断したという。

 

冬になるのが何とも待ち遠しい。

 

 


 

以上で、鳥羽の家の御紹介は終了だ。
更に詳しく知りたい方は、直接ご連絡いただきたい。
ただ、施主さんはもう住む準備を進めているので、現場をご案内出来るかどうかは分からない。

 

 

鳥羽の土壁の家WEB内覧会(4)自然の木は美しい

 

この家では、所々の造作に、自然のままの丸太を取り入れた。自然の造形は、そのままで美しい。

 

玄関の引き手に使った丸太。樹種は不明。

 

 

土間にある大きな戸の引手。これだけは、もりずむ水町氏によって表面が加工されている。樹種は榎。

 

 

玄関下駄箱の帽子掛。もりずむ製作。

 

階段手すりには、グイッと曲がった根曲がり杉を。

 

 

キッチンカウンターの支えに使った枝。樹種不明。

 

 

 

何といっても、メインの柱、カイヅカイブキ。
この家の墨付けをした前田が、丁寧に加工したものだ。おそらく紙一枚入る隙間もない。

 

 

丸太を加工するのは手間が掛かる。四角い材料は機械で加工出来るが、丸いとそうはいかない。
しかし、丸太が入ると、直線基調の家が、グッと柔らかく感じられる。
自然木なら、なおさら自然を感じられる家になるのだ。

 

つづく

 

鳥羽の土壁の家WEB内覧会(3)眺めは抜群

 

鳥羽の家、ご紹介つづき

踊り場

2階と1階の階段途中にある踊り場は、色々な使い方が出来る。とりあえずは子供達スペースになるのかな?

 

秘密の小部屋?

踊り場下の収納スペース。
天井も低く狭いが、こんな部屋は嫌いじゃない。

 

 

空間の有効活用   憧れのロフトスペース

屋根裏空間を利用しないなんて、もったいないし、何よりこの非日常の屋根裏空間が、ワクワクするではないか!

 

ロフトは、ベランダに面していて、冬は日差しが入ってポカポカ、夏は深い軒と風通しの良さで、きっと涼しいはず。

 

屋根からの眺めは素晴らしい。

普通、屋根には上がらないが、この家は煙突掃除用に、屋根への出入り口が付いている。

 

だから、こんな風に、星空を眺めたり、風景を楽しむ事が出来るのだ。

 

つづく

鳥羽の土壁の家WEB内覧会⑵ 内部編

さて、鳥羽の家のご紹介の続き。

 

この家の見せ所は、、全てだ。

全てにおいて、その時考えうる限りの設計をし、そして自分が最も信頼する職人たちが仕事をし、さらに施主もとんでもない頑張りをを見せて、セルフビルドに挑んだ家である。

 

 

先ずは、何と言ってもここだけは外せない、土間からキッチン〜リビングの大空間。

 

 

土間からリビングへと上がる丸みをつけた段。冬はここに座って、薪ストーブで暖をとるのだ。

 

 

真ん中に立つのは、大黒柱でありこの家のシンボルでもある、カイヅカイブキの丸太柱。

 

キッチンは、木神楽ともりずむ、そして施主さんとの合同製作だ。いいデザインで使い易く出来た。

 

施主さんアイデア・製作のボルダリングの壁も、この家の楽しさを表している。施工には、もりずむ理事長達も借り出されたらしい。

 

内部の建具は、全て古建具を使用。長年ストックしてきた建具たちを、やっと使えて嬉しい限り。

 

 

つづく

 

 

 

 

 

鳥羽の土壁の家WEB内覧会⑴ 外観編

 

では改めて、完成した鳥羽の家をご紹介しよう。

 

撮影は、ダンディーカメラマン、加納準氏である。

 

 

 

 

まずは、外観。

北西面。風通しと明かり取りを考え窓を設けたが、西日も入るので、夏は簾をかけると良い

東北面。玄関があり、この前に駐車スペースが来る。

北東面。柿渋松煙の黒い外壁と、シダーシェイクの色の対比がきれい。

南西面。南寄りに窓を集中させた。

 

建物は、駐車スペース、小屋を建てる場所、畑など土地の使い方を考えて、配置を決めた。
屋根は切妻だが、勾配を変えて2階の部屋とベランダが、狭くならないようにしてある。


この方向が、正確には南である。
L字になった部分は、真壁(土壁)のままだ。
将来的には、漆喰か大津塗りになるだろう。

 

しかし、何と言ってもこの施主さん施工のシダーシェイクが、圧巻だ。上の方はうねってるし。
ここの外壁を張るだけに、一体どれだけの時間が掛かったのだろうか。

ちなみに横にある大きな壺は、施主さんがどこからか貰ってきたもの。雨水を貯めるようになっている。

 

南東面にある玄関

まだ玄関ポーチなどは出来ていない。
さあ、次回は、ここから中へとご案内する。

 

 

 

鳥羽の土壁の家⑫杉の木で作る照明

さて、鳥羽の家は、木神楽の職人と施主のコラボによって完成された。(正確にはまだ未完。後は施主が住みながら少しづつ作る)

 

 

それに色を添えてくれたのが、NPOもりずむだ。
この家は、99%、もりずむの杉の木を使っている。
が、材料供給だけでは飽き足らず、そこに居る職人達で、家具まで作ってしまった。

 

これは食器棚。他に下駄箱も、もりずむ製作。

 

 
そしてもうひとつ特筆すべきなのは、照明である。
来場してくれた方々は気が付いたであろう、所々に付いてる奇妙な形の電気。


これらも、もりずむ製作だ。

 

 

作ったのは、もりずむ木工担当の水町氏。

じっと目を閉じ瞑想中の水町氏

 

 

 

 

内覧会二日間とも、手伝ってくれた彼。1日目終了後の宴会では、夜中の3時まで呑んでいたという酒豪だ。
そんな彼が、施主に提案したのが、杉の木で作った、オリジナルな照明だった。

実はこれらのデザインは、施主家族のフリーハンドのスケッチを元に、加工された。

自分ならそんなの無理と断るところだが、それを文句も言わずにコツコツと作り上げてしまう彼なのだ。

 

 

ではここに、彼の作った照明ダイジェストを載せよう。

自然の木のうろを利用した照明。水町デザイン

カボチャ?施主スケッチを元に製作

蜂の巣みたいなのがいいとの要望を受け、製作

女性の体の曲線美を表しているらしい

これが一番作るのが簡単だとか。

施主さん長男デザイン。上の穴からも光が出る

杉の木目がいい感じ。

これらの照明は、これから本格的に商品化していくとのこと。
今後のもりずむの木工部門から目が離せない。

 

撮影 加納準

鳥羽の家 内覧会2日目

鳥羽の家内覧会2日目の様子。

 

 

この日は、朝から曇空で、涼しい風が吹いている。
昨夜は、会場でそのまま宴会へと突入したので、皆、寝不足&二日酔い気味だ。

 

昨夜、早めにダウンした自分ともりずむ理事長の顔や服に、落書きがしてあった事は、酔った席の事なので、不問としよう。
しかし、Gパンに尻の穴を描くのだけは止めていただきたい。下品な落書きはNGだ。

 

 

さて、ここで、内覧会のスタッフをざっと紹介する。

うちからは、自分と弟子の桝屋。先般、独立した前田も駆けつけてくれた。
NPOもりずむからは、理事長藤崎と水町。
そしてお施主さんだ。

さて、2日目のこの日も、皆、のんびりと過ごした。
来てくれたお客さんとも、たくさん話す事ができた。

 

昼休みもゆっくり取れ、昨夜の寝不足も解消できたことだろう。

 

この日は、屋根の上に上がれる秘密の出口をご開帳。

煙と何とかは高いところが好きと言うが、高いところは見晴らしが良くて気持ちが良い。
もちろん、ある程度は危険も伴うので、そこんとこは自己責任で上がって欲しい。

 

こうして、2日目も滞りなく終了した。
手伝ってくれた皆さん、会場を公開してくれたお施主さん、そして来てくれたお客さんに、この場を借りて改めてお礼を申し上げる。

 

さあ、次回は、完成したこの家を、プロフォトグラファー加納準氏の写真で振り返ってみよう。
ちなみに、加納氏、パッと見はごつくて怖そうだが、笑顔の優しいチャーミングな人である。

 

 

 

速報  鳥羽の家内覧会実施中

ここは、鳥羽市幸丘。小高い丘の上にある、閑静な住宅地だ。

周りの雑木林の山々からはウグイスの鳴き声、遠くには、電車の走る音も聞こえて、とっても居心地の良い場所である。

 
さて、今日から始まった内覧会。

一年越しで完成したお客さんのお家をお借りして、今日明日と開催中だ。

別に暇なわけではない。

外は暑いが、家の中は気持ち良い風が吹き、皆んなノンビリと昼下がりの時間を楽しんでいる。

さて、昨日、プロカメラマンに撮ってもらったとっておきの写真を、少しだけ公開しよう。

 

 

 

これは、夕刻、東側から撮った様子。

施主さんが苦労して張っただけあって、シダーシェイクの外壁が素晴らしくカッコいい。

 

 

 

南面の土間を中心に外から見た写真。

何だか、ハリウッド映画に出てくる、どこか外国の別荘のようではないか。

 

 

キッチンカウンター前から、リビングを眺めた写真
どう見ても、何処かの高級ホテルのロビーと見紛うばかりである。
実物も大変素晴らしいのであるが、こうしてプロカメラマンに掛かると、全く見違えてしまう。

 

 

しかし、やはり実物の家を見て欲しい。まだ来てない方は、明日もやっているので、是非とも見に来て欲しい。
場所は、鳥羽市幸丘。詳しい場所は、木神楽 高橋 090-3385-2706 までお問い合わせを。

鳥羽の家、内覧会お知らせ 6/10,11日

 

つ、ついにこの日がやって来た!

 

 

鳥羽の家に、お施主さんが引っ越すことになり、その前に内覧会を開催することとなったのだ。
ここで、ざっと鳥羽の家作りの経過を見てみよう。

 

建て前をしたのは、ちょうど一年前

 

この現場、建て前をしたのが、ちょうど一年前の6月アタマ。
それから、お施主さんによるセルフビルドと木神楽との協働作業にて、ようやく、完成まで漕ぎ着けたのだ。

この現場は、美杉町の新月伐採の杉を使い、伝統的な構法を多用した住宅。
しかし、現代的な設計(の、つもり)により、新しく、しかし懐かしい、そして長持ちする家を目指して作られた家だ。

 

セルフビルドとの協働作業で家作り

何といっても、お施主さんによるセルフビルド(土壁、その他多数箇所)があるというところが大きい。

頑張れば、ほらこれを読んでいる貴方にだって出来ちゃうのだ。

 

 

鳥羽の土壁の家 内覧会 6月10日(土)、11日(日)

場所は、鳥羽市幸丘。小高い丘の上にある、静かな住宅地。
海も山も程近く、遠くに電車の音が聞こえる気持ちのいいところ。
見学希望の方は、詳しい場所をお知らせするので、木神楽高橋までお問い合わせを。

ちなみに、近鉄船津駅から、徒歩6分です。電車でノンビリ来るのも良いかも。

高橋連絡先→電話090-3385-2706
もしくは、お問い合わせページまで

 

鳥羽の土壁の家⑩ 柿渋と松煙が出会った

さあ、どんどん行きます。
お次は外壁を張る。

この鳥羽の家で使う外壁材は、杉板だ。
外壁用に、腐りにくい赤身だけで製材されているものである。

杉板の塗装は、もちろんお施主さん担当。

材料にこだわる施主さんは、自然素材だけで塗装できないか調べ、柿渋+松煙というのを探し出してきた。
何と柿渋を作っているお友達がいるとのこと。
その彼のアドバイスを元に、ほんまもんの自然塗料による塗装が始まった。

松煙とは、煤であり、ここでは顔料の役割を果たす。そして柿渋には固まり防水する性質がある。
このふたつを混ぜ合わせ、塗ることにより、色付けと木材表面の保護を兼ねる。

杉板の表面は、塗装が固着しやすいように、あえて削らず荒ら仕上げとした。
塗って乾いた表面は、何かがきらきら光っていて、とても美しい黒色だ。

一度塗って乾いた後、さらに二度目を塗ってもらい、更に深いブラックとなる。

これは張るのが楽しみである。
つづく

鳥羽の土壁の家⑨ 土壁の外に断熱材を入れる理由

鳥羽の土壁の家、続編。
施主さんが、頑張って塗った荒壁。

施主様ブログはこちら→ 自然と共に

荒壁土が乾いてきたところで、さあやっと大工さんの出番だ。

と、言いたいところだが、実はまだまだ土塗りは続く。
荒壁の上に貫伏せ、そして大直し、というさらなる左官仕事が待っているのだ。
荒壁の状態では、土壁というのはそれほど強くない。そして貫という構造体も見えたまま。
その上にさらに土を塗っていく事によって、壁の厚みを増し強度を出すのだ。

 

 

この作業は、外壁を張る前にしなければならない。ここも、もちろんお施主さん施工。
セミだろうが何だろうが、セルフビルドである以上、お施主さんに休む暇なんてない。

 

 

そうして、外部周りの大直しが出来たら、ようやくここで我々の登場である。
先ずは窓を取り付け、そして外壁下地を作るのだが、この現場では断熱材も入れる。

 

 

土壁にも断熱作用は有るが、あまり期待は出来ない。どちらかと言うと、蓄熱、蓄冷するものだ。

そうした時、土壁の外側に断熱材を入れることによって、土壁自体が外部の温度変化の影響を受け難くなり、室内温度も一定に保ちやすくなると考えている。

 

 

ここで使用した断熱材は、フォレストボードという、杉皮とパルプを固めたものだ。
この材料は、透湿性があり、土壁の吸放湿性能を損なわないし、天然素材100%である。

このように、土壁に密着させ、この上に胴縁という下地を打ちつけ、外側に通気層を設ける。
通気層とは、文字通り空気が通り抜ける層である。
断熱材内部に侵入した、雨や湿気を乾かせるために必要である。

そして、次は外壁だ!

つづく

 

鳥羽の土壁の家⑧ 土壁を付ける

鳥羽の家、現在もうほとんど完成している。連休中に、施主様セルフビルドの最後の追い込みで、仕上げまでいくのではないだろうか。

さ、話は去年に戻り、建て前が終わったところから始めよう。

建て前が終わり、いよいよ本格的にセルフビルドの始まりだ。土壁は全部セルフビルドだ。
左官屋さんにアドバイスを受けながら、えつり掻き、そして荒壁付けへと進む。

はい、お施主様ご夫婦登場。
基礎工事から始まり、土壁の準備や施工まで、ほんとに良くがんばりました!

 

木神楽メンバーも、荒壁を付ける初日に、お手伝いに行った。

土を練り直し、藁すさを足して、固さ加減を調整。
そして、施主様が編んだ竹小舞に、荒壁を塗りつけていく。

皆、泥だらけになるし、土は藁を入れて発酵しているのでとっても臭いのだが、それは全く苦にならない。
何でか、荒壁付けって楽しいのだ。大人の泥んこ遊びってもんだろうか。
こういう作業で、家が作られていくっていうのは、何度経験しても気持ちが良い。

 

 

鳥羽の土壁の家⑦ そして建て前の日

注)これは去年6月の話

 

実はこの直前、松阪の土壁の家の建て前もして、建て前2連ちゃんという、ハードなスケジュールであった。本来はもう少し早く建てる予定が、梅雨直前になってしまった。工期の遅れで、お客さんには随分迷惑をお掛けした。

ちなみに、ここの基礎はお客さんセルフビルドだ。地盤が良かったのでシンプルな構造だが、それでも大変だったに違い無い。

さ、建て前の様子をささっと写真で振り返ろう。

シンボル的な節付き丸太の大黒柱を立てる。

長ほぞ差しのベランダ周り。組み上げるのに非常に苦労した。

 

渡り顎という木組みで、梁と桁をしっかりと組む。

 

段々と家の形になってくる。

屋根は、間に断熱材を入れる為に、2重にする。時間が掛かるが、出来上がると2階の天井まで仕上がる。

 

そして屋根まで完成!ここまでくるのに、1週間くらい掛かったんじゃないだろうか。

 

 

建て前二日目には、上棟式をして、餅まき。
最近はどこも簡素化して、餅まきはしないので、久しぶりであった。

 

鳥羽の土壁の家⑥ 手刻みは楽しい

飛び飛びの投稿ばかりで、読みにくくなってしまい申し訳無い。

これは、鳥羽の土壁の家土壁は大地そのものだ からのつづき、
じゃなかった、新築に古建具を使う方法のつづき。

 

出来れば、シリーズ通して読んでいただくと分かり易いかと思う。→鳥羽の土壁の家

  1. もりずむの木を使って建てる
  2. セミセルフビルドで完成させる
  3. 自然素材で作る
  4. 土壁を付ける
  5. 古建具をリサイズして使う
  6. 手刻みで作る

さて前回は、5の古建具まで行ったので、その次。

 

6. 手刻みで作る

まず、手刻みについて説明しよう。
手刻みとは、構造材の加工を、大工の手で行うことだ。え、当たり前じゃん、と思うかもしれないがそれは昔の話。
今、住宅の構造は、プレカットという工場生産が主流となっている。工場生産だから早くて、品質は均質、そしてコストも掛からない。手刻みで行う大工は今や絶滅危惧種だ。

しかしプレカットは、木の性質を読んで構造を作るとか、伝統的な木組みとかには対応していない。
そして何より、大工として面白くない。(ここ大事)
工場生産の家を建てるのは、プラモデルを組み立てるようなもので、大工じゃなくても建てられる。はっきり言って楽ちんだ。
しかし自分達は、自分たちじゃなければ建てられない家、職人技を発揮した家を建てたいのだ。幸い鳥羽の施主様もそういうのを望んでくれたから、手刻みでさせていただくこととなった。
しかし当然それなりにコストは掛かるので、そこらへんはよく考えて、施主様の大切な資金を無駄遣いしないようにする。

さて、鳥羽の家。
なぜ手刻みにしたかといえば、これは伝統的構法の家作りであれば、当然であろう。
工場生産のプレカットでは、仕口や木組みが見せられる仕様になっていないし、細かい配慮の木組みは行われない。
ちなみにこの家は、コストを考えボルトも使っているし、金物での補強も行っている。
しかし基本は長ほぞ差しと込み栓、そして壁下地は、数段の厚貫によって支えられている。
当然筋交いは無い。

手刻みは楽しい。自分たち職人の手で加工したものが、建て前の日に組み上がっていくのは感動ものだ。
その代わり、失敗していないか間違いは無いか、墨付けをした棟梁は、無事組み上がるまでドキドキなのである。

新築に古建具を使う方法

《鳥羽の土壁の家 part5》

5.古建具をリサイズして使う

これについては、コストダウンの為にこれを選択した。今はベニヤを使った安い建具があるのだが、この家にそんなのは似合わない。

ここの家は内部は全て引戸なので、日本の古建具が利用出来る。引戸は、気密性に欠けるが、開け放しても邪魔にはならないので、開放的な家作りには欠かせない。
うちには、あちこちの古民家から引き揚げてきた古建具が沢山あるので、その中から、良いのを選んで使う。ただ背丈が低いので、下に框を足して、かさ上げする事になる。

もちろん幅も確かめて、古建具が納まるよう念入りに検討した。

戸車は新しくし、Vレールにするので、スイスイ動く。

今回、主に使うのは、大阪格子と言われる格子と障子のハイブリッド戸。細い格子が繊細で、中々カッコいいのだ。

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