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タグアーカイブ 木の家

ラフターズカフェ製作日誌(7)お正月に漆喰を塗るのだ

内壁下地が出来上がった年末、ヒゲの左官K山氏がやってきた。

皆が休んでいる年末年始、正月休みもせずに左官工事に入るのだ。

そう、彼は現場を円滑に進める為なら、正月だろうと例え夜中になろうとも、家に帰らず仕事をする。
決して威張らず欲張らず、予算が足りなければ僕の分を使ってくれと差し出し、西に困った人があれば助けに行き、東に病気の人があれば行って励ます、そんな宮沢賢治のような左官職人である。

今回は、冬休みに入っている高校生の息子も連れてきて、親子で漆喰塗りである。

なかなか手つきの良い彼は、果たして左官屋になるのだろうか。
お父さんは結構期待しているようではある。

 

さて、もちろんいつもの調子で、オーナーや我々も参加する。

 

この壁面は、プロジェクターで映像を写したいとのオーナーの希望により、なるべく平らにするべく、皆でコテで押さえる。

オーナーであるご兄弟二人も中々器用である。

 

そして、ご覧のように、綺麗な漆喰壁が出来上がった。

ちなみに、この漆喰壁は、石膏ボードに薄塗りで仕上げてあるので、工期は短く済む。
ただし、厚みが薄いので、強度はあまり無く、ボードの継ぎ目でひび割れなどが起こりやすいが、私としてはあまり細かいことにこだわらず、漆喰の質感を楽しんで欲しいと思う。なおひび割れた漆喰は補修可能だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海が見える山の家リフォーム(1)チムニーを取り付けろ

 

家を持つものなら一度は憧れる薪ストーブ。

うちへ来られるお客様も高い確率で、薪ストーブの設置を望まれる。

 

しかし、決して誰もが取り付けられる訳ではない。

何しろ薪ストーブは、燃料の薪がたくさん要るのだ。
いいストーブは二次燃焼が主流で、たいへん燃費が良いらしいのだが、それでもひと冬越すには、大量の薪を用意せねばなるまい。
それが出来る見込みがあって、初めて薪ストーブオーナーへの道が開かれる。

 

そして、次の関門として高効率の薪ストーブはそれなりに値段が高い。
煙突工事まで入れると大体100万前後になってくる。
そこまで掛けてでも欲しいと言う人のみが、薪ストーブユーザーになれるのだ。

 

 

(追記)

そうそう、安価なストーブもあった。
木神楽の事務所で使っているストーブは、本体価格7500円だ。

 新保製作所

これは薄い鉄板で出来ていて、軽くて設置も簡単。
ただし寿命は2〜3年、燃費が悪いので薪がたくさん必要、火の微調節がしにくいなど性能は劣るが、これでよければ安価で設置は可能である。

 

 

 


 

先日から始まった古民家改装工事。

ここのお客様も当然ながら、薪ストーブを望まれた。

幸いお客様には、薪を準備していく覚悟と心構えがしっかりと備わっていた。
何よりも長年の夢であったというのだから、これは取り付けるしかないだろう。

 

 

そして、この海の見える家リフォームは、薪ストーブの設置から始まることになる。

 

海が見えるというから海岸近くにあるのかといえば、そうではない。

ここは標高200mを越す山の中腹なのだ。しかし目の前に遮る山などが無く、眺めが素晴らしい。

遠くに津の町を見下ろし、その向こうに伊勢湾、そして知多半島までが見える。

 

さて、ストーブを設置するのは、なるべく家の中心近くが良い。
ストーブから放射線状に広がる熱を無駄なく活かせる為だ。

 

この海の見える家では、このリビングダイニングの一角に設置する。
もちろん家の中心に近いところだ。

そしてまずは、煙突を通すためのチムニーを作る。
チムニーとは、屋根の上に突き出た煙突部分。いわゆるサンタさんが入るような煙突をイメージしてもらえると良い。

その1
屋根の瓦をめくり、天井に穴を開ける。

 

 

瓦をめくって、しばし悩む坂下氏。

実際、屋根に穴を開けるのは簡単だが、問題は雨が入らないようにすることだ。
そのための納まりは簡単でない。特に瓦屋根の場合、不可能ではないが難しい。

 

 

 

その2

四角いチムニーを作り、それを屋根の上に設置する。

チムニーは内部を防火・耐熱のために耐火ボードを12mm厚で貼る。

 

そして屋根の上に設置されたチムニー。

写真は、雨が入らないように、ブルーシートで養生中。

この後、板金屋さんと瓦屋さんが、悩みながら雨仕舞いをすることになる。

 

 

続く

 

 

小さく住む家㉑大地を壁に 実地編

美杉から現場に戻った我々は、早速壁を塗る準備に取り掛かる。

 

今回塗る壁は、こちら、スモールハウスの正面壁。
数日前に、下地モルタルを施工済みだ。

 

現場で待機していた弟子の桝屋、スノーボーダー坂下と合流し、K山左官を含めた4人で壁塗りの準備を始める。

まずは、朔で拾ってきた陶器のカケラを、ハンマーでさらに細かく砕く。

 

それらを土に混ぜ込み、一緒に壁に塗り込むことによって、面白い壁になると考えたのだ。

もちろん、美杉町の朔由来の壁だという証でもある。

 

さていよいよ壁に付ける。

 

先ずは接着の役目を果たすモルタルを塗り、その上から、美杉で採取してきた土を塗りつけていく。

 

塗り方は、手でぐちゃっと。付けた土の大部分は、パラパラと下に落ち、唯一モルタル面に接着している土だけが残る。

そんな感じでどんどんと塗り進める。

そう広くない面積なので、半日ほどで終了。

 

 

 

そうして、塗りあがった壁がこれだ。

 

 

 

 

この状態は、まだ塗りたてなので、完全な仕上がりでない。

この後、日を置いて、乾いた壁面の余分な土を擦り落とす。

さらに接着力を高めるために、樹脂ボンドを吹き付けると、ようやく大地の壁の完成である。

 

続く

 

小さく住む家⑳大地を壁に 美杉編

晩秋のとある日、我々は、紅葉色付く山を見ながら車を走らせていた。

向かったのは、津市美杉町の山の中にある一軒家。

色付く紅葉が大変美しい。

そして、この見覚えのある丸い池と、遠くに佇むヤギ。
そう、ここは以前、木神楽で施工させていただいた日本料理店『朔』だ。

 

施工したと言っても、ここのセンスあふれる庭や店の造作は、ほとんどオーナー夫妻のセルフビルドによるものだ。

 

 

さて、そんな朔に来て誰もが目を向けるのは、何と言ってもこの特徴ある増築部分だろう。

 

四角く突き出た部分は、もちろん木のフレームで作っているのだが、注目すべきはこの外装である。
左官仕上げなのだが、まるで大地と一体となったようなその仕上がり。もちろんオーナー夫妻の手作りである。

この壁に強く惹かれていた私は、是非とも『小さく住む家』で再現したいと考え、その作り方の秘訣を探りに来たのだ。

 

 

我々が訪れた日は、ちょうどお店が休みの日で、オーナーご夫妻にゆっくりお話を聞く事が出来た。
何とあの壁は、そこら辺の土をただ拾ってきて、塗りつけただけだという事である。

 

それを聞いた我々は、オーナーの許可を得て、そこら辺の土を戴くことに。

紅葉の落ち葉をかき分け、崩れて露出した山肌の土を少々分けていただく。
この辺りの土は、砂や小石混じりの山砂。
この色々混じった感じが、あの壁の雰囲気を醸し出しているのだろう。

 

 

そして、帰り掛けに何気に見た地面に、多数落ちている陶器のかけらを発見。

実は、ここの奥様は焼き物で彫刻などを作るアーティストでもある。
その製作時に捨てられたこれらのかけらを、拾い集める。

 

 

さあ、材料が揃った。
現場へ戻って、大地の壁を作ろうではないか。

 

つゞく