久しぶりにモバイルハウスのお話。
モバイルハウス、雑誌に載る
前回の、黒くて軽くて風に乗ったモバイルハウスは、雑誌NAGIの目に留まり、表紙を飾ることとなる。
2015年夏号、特集はD I Yだ。
ちなみに、モバイルハウスの中に写っている白い円筒は、わたくしの望遠鏡。
大きな反射鏡が付いていて、暗い天体でも明るく観ることが出来る。
詳しく知りたい方は、わたくしに直接聞いていただくか、ドブソニアン望遠鏡で検索して欲しい。
木のモバイルハウス作りワークショップ
さてさて、次のモバイルハウスプロジェクトにいこう。
今度の施主様は、美杉むらのわ市場の主催者。
注)この話は、2015年春、もう2年の前のことである。
美杉むらのわ市場は、毎月第2日曜に、美杉町で開かれているオーガニックなマルシェである。
そこで自分は、カホンワークショップを出店しているのだが(現在は休止中)、その市場で、イベントとして参加者と共に、モバイルハウスを作ろうということになった。
ちなみにこれがその時の、体験募集blogだ。→ モバイルハウス作り体験!
今回も、大きさはほぼ同じ、軽トラに乗せて移動できるタイプだ。
そして前回の反省を踏まえ、屋根の形状を変えたり、裏側に出入り口を設ける。
この骨組みだけ出来上がった状態で、市場へ持って行き、そこで参加者と共に仕上げる。
骨組みに貼り付けるのは、ヒノキの板。これを一枚づつ重ねて貼っていく。
なかなか根気のいる作業である。
当日は、ヨットから伝統構法まで設計する一級建築士、sigezoも駆けつけてくれて、みんなで張るのだが、いかんせん、幅の狭い板なので、ちっとも進まない。
この時は、たしか2周年記念で二日間あったのだが、とても二日くらいでは終わりそうにない雰囲気だ。
さあ、どうする?!
つづく。
(注)この出来事は、2年前です。
そして出来上がったモバイルハウスを、さっそく現場に運び、使用することにした。現場はその時取り掛かっていた美杉町の『日本料理 朔』建築現場だ。和歌山から長期出張中のK山さんの荷物も一緒に運び込む。これで朝起きたらすぐ仕事できるし、仕事が終わればすぐに寝れる。木神楽がブラック企業で、寝る時間以外働けとか、そういう訳では決して無い。
休憩時間、軽くイメージ写真を撮影。冬の小春日和、暖かい日差しを受け、リラックスする施主さま。しかし、この後、とんでもないことが起こった。
にわかに雲行きが怪しくなり、日は陰り風が吹き始める。この山間部の冬の天気ではよくあること。そして勢いよく突風が吹いた次の瞬間。
忽然と消えたモバイルハウス。
正確には、風に吹き飛ばされたのだ。余りに一瞬の出来事であり、押さえるとかそんな暇は無かった。
ちょうどこの場所の裏側は、ちょっとした崖になっていて、その下までモバイルハウスは吹き飛ばされたのだ。ちなみに小山さんは無事だった。見るも無惨なモバイルハウス。扉はちぎれ、外れた屋根の上には荷物が散乱。
しばし呆然と眺める。本当に怪我とか無くて良かった。下の道路に誰かいたらそれこそ大変だ。そしてみんなでK山さんの荷物を拾い集め、元の位置に戻す。
よく見ると、骨組みが一部折れてはいるが、対して壊れてい無い。数メートルの高さから落ちてこの程度の損傷なら大したものだ。さっそく弟子の桝屋に補修させ、そして今度はしっかりと固定し、お施主さまに入っていただく。
突風のあと、降ってきた雪であっという間に一面銀世界となった。トタン一枚貼っただけのハコの中でK山さんは寝られるのか?! それは大丈夫。彼は、冬の富士山頂でも寝られるモンベルの最高級ダウンのシュラフを持っているので、何も心配はいらない。
今回の出来事で、軽量化に成功し、なおかつ丈夫だということが実証された。そして、さらに同じ規格で第2号が作られることになる。
つづく
(注)この話は、2年前の事。
さて、サルシカ隊の軽トラキャンパー事業が挫折してしまい、傷心の我らだったが、そこに新たなる課題が飛び込んで来た。
今度のは、軽トラの荷台に載せるキャンパー、というよりハコである。そして前回の反省を生かして、如何に軽く、そして手間を掛けずに作るか、に重点を置くことになる。
今度のオーナー、つまり発注者は木神楽の主要メンバーでもあるK山左官。
K山さんは、その土地の土、地に生えてる竹など、そこにある地のものを使い、壁を塗る左官職人だ。木神楽の木と土壁の家は、彼無くしてはあり得ない。
そして、彼は和歌山県からきているので、こちらに居るとき用の家が欲しいとのこと。
家=安くて小さいのでいい=持ち運びできるといい=軽トラに載せよう! ということで製作決定。
そして先ずは、綿密?な設計図面を作成した。彼が中でギリギリ寝て、立てる、そして軽トラの荷台に載る大きさ、さらに中の換気、コスト、使い易さ、それらを総合して、最高のパフォーマンスを発揮するカタチが浮かび上がった。
予算はあまり無いので、すぐに製作に取り掛かる。骨組みは前回のキャンパーと同じく45mm角の杉材。しかしここからが違った。とにかく軽くするために、余計なものは張らない。ここに直接、外装のガルバリウム鋼板を貼ることにした。
ガルバリウムの色は、単純にカッコイイからという理由で、黒を選ぶ。カッコイイことは大切なことだ。
そしてあっという間に完成!
床は、有り合わせの杉板。前面の入り口は、はね上げれば庇代わりになる。屋根は、固定せず自由に取り外せるフタ。
天井が開くようになっているので、中で小さく火を焚くことも可能だ。
そしてこれをロケーションの良い所に運び、加納カメラマンに撮影してもらった。それがコレ。
さすがプロのカメラマン、素晴らしい写真が出来上がったきた。実物はもうちょっとしょぼいんだけど、まあいいか。そしてこの写真を見たNAGIの編集長から連絡があり、NAGI61号に掲載される。
そして、さっそく使用されるのだが、大変なハプニングが起こる。それは次回。
これ、今頃書いてますが、3年も前の話。
スモールハウスと同じく熱い視線を向けていたキャンピングカー。そしてそれをを作ることになったのは、数年前のこと。僕たちが隊員として活動するサルシカ隊だった。
隊長はじめ、サルシカ隊員の間でも話題のキャンピングカー、しかし通常は高くて手が出ない。それをリーズナブルでお手軽な軽トラキャンパーにして、うまくいけば販売しようということになったのだ。
コンセプト、当然それは軽トラに乗るよう小さく作り、何より、何処へでも移動出来るモバイルな住まい。普段の足の軽トラに、週末だけそのキャンパーを積み込み、旅に出る、という感じか。
ということで、木神楽の工房にて制作が始まった。普段作っている家とは違い、丈夫に作る、というより、とにかく軽くしなきゃならん、というのを頭において進める。
形は、軽トラの荷台にフィットする、そして上が前に伸びているキャンパーらしい外観だ。
構造は、普段よく使う45角の下地材で骨組みを組み上げ、剛性を出すために5mmのベニヤ板を貼った。
実は、軽くするはずが、ベニヤを貼った時点でかなり重くなる。これはまずいなと思いつつ、その上に防水用のパネル、サイドには杉板を貼って化粧を施し、窓や出入り口を取り付けて、完成だ!
ここにその全貌を表そう。
完成と言っても中は仕上げてないが、内装は今後の使い勝手に応じて作れば良いので、敢えて作ってない。
内部は2段構造になっていて、上段は取り外しできるベットになっている。
そして・・とてもしっかり作れたのだが非常に重い。大人4〜5人で吊り上げないと、荷台への上げ下ろしは出来ない。
もう少し軽くするためには、骨組みをもっと細くし、外部の防水はFRPか何かでする必要があるだろう。若しくは頻繁な上げ下ろしは諦め、積みっぱなしなら良いのだが。
今後のサルシカのイベントでどんどん使う予定だったが、結局出動したのは数回か。今は秘密基地の倉庫で、物置き代わりになっている。
さて肝心の販売計画の方だが、地域課題解決何たらの助成金でやろうかと、申請して、あえなく申請却下、というところで、現在停滞しているところだ。