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小さなカフェ 番外編


そうそう、ここら辺りでそろそろ、このカフェのオーナーのことについて触れねばなるまい。オーナーはユーチューバーである。工事中、やたら頻繁にiPhoneで動画を撮っている方だなあとは感じていたのだが、どうもそれがユーチューブに上がっているらしいということが分かってきた。

これは上棟時の様子

 

これは土壁を塗る時の動画。

とにかく、かなりマメに、いろいろな日々のこと、思うことなどを配信している。

まあこれなんかが典型的な彼の動画のパターンで、いわゆる中年男のひとり放談だ。彼は色々なことに挑戦し続けていて、それらの語りが意外と面白く、どうやら全国には、彼のコアなファンがいるらしい。。

そんなこんなで、次回からは、彼のyoutube動画も合わせてご紹介していくとする。

つゞく

小さなカフェの作り方その6

まだまだ続く土壁塗り

注)これは2018年12月の話です

土壁塗りは、まだ終わったわけではない。前回は外部を塗っただけで、次は内部の壁を作る。

外の荒壁が乾いた時期を見計らって、内部のえつりに入る。

内部も外と同じように、竹を打って編んでいく。しかし竹という素材は何とも素晴らしい。自由自在にしなり、曲がってくれる。固くて強度もある。さらに毎年生えてくるので、無くなる心配は無い。竹という植物は資源が枯渇した遠い未来では(案外近い未来かもしれないが)、人類が使う主要な素材として、重宝されているに違いない。

そして出来上がったこの見事な竹小舞。

入り口上は、放射状に竹を打つ
竹にわら縄を巻いてあるのは、土が付きやすくするため。
どう納めるか悩んだ手洗い部分
何とも美しい竹小舞壁。

さあ、ここにまた荒壁を塗るのだ。

つゞく

小さなカフェの作り方その5

土壁を塗る

注)これは2018年12月の話です

この日、朝早くから現場に続々と集まる職人達。K山左官を筆頭に、大工や左官、さらにこの店のオーナーまでも。荒壁を一日で一気に塗ってしまう必要があるために人手が要るのだ。

荒壁とは、藁と土を混ぜた竹下地(えつり)に最初に塗りつける土のことを言う。その後、その壁が乾くごとに、大直し、中塗り、仕上げ塗りなど何回もの工程を踏まえて壁は完成する。土壁はその総称。

荒壁用の土は、近隣の泥コン屋さんから朝イチ運んでもらう。これを早速、えつり(竹下地)に塗り付けていくのだ。

泥コン屋とは、荒壁土を専門に扱う業者さんのこと。これも年々需要が減って廃業するところが多く、今でも営業しているのは貴重な存在。

こういう作業は、いつも大勢の職人でワイワイと楽しくやる。そう、建前と並んで家づくりのメインイベントなのである。そしてこの大勢の職人の息がピタリと合った時、それはもうすごい勢いで壁土が塗られていく。こういう作業は、大まかなミーティングはするが、その場の動き・流れで、各々が自分のやるべきことを判断して動くのだ。

この日は、自分も入れて総勢7名。次に新築予定のお施主様もお手伝いに来てくれた。
窓周りを円く仕上げる。手間の掛かるところだが、慌てず丁寧に。
塗り付けが終わったら、大きな定規を当てて、平らな面を出していく
全面に塗り付けが終わった!
壁の曲線も綺麗に。

何だか不思議な形の建物が出来上がって来たぞ。しかし完成はまだまだ。土壁塗りも、まだまだ続くのだ。

つゞく


小さなカフェの作り方その4

壁にえつりを編む

屋根が出来たら、次は壁だ。ここの壁は円いので、どう仕上げたらいいのかが課題であったが、それはK山左官が一瞬のうちに解決したことは、先般お伝えした通りだ。→ジュリー珈琲制作秘話

竹割器で竹を割る

壁に使うのは、竹と土のみだ。竹はいくらでも曲がるので曲線下地を作れるし、大体の形を作っておけば、あとは土でどんな風にでも塗っていける。

材料に使う竹は、自分たちで山から切ってきたもの。それを写真のような竹割器で、いい具合の幅に割る。もちろん竹の太さはまちまちなので、いく種類かある竹割器の中から太さに合わせてチョイスするのだ。

竹というのは、経験した人ならと思うが、とっても気持ちよくパカっと割れる。まさにあの”竹を割ったような性格”と形容するように、あと腐れなくスカッと割れる。

まだ未経験の方がいたら是非とも一度体験してほしい。あなたも竹を割ったような性格になるかもしれない。


その割った竹の節を取り、壁に沿って編み込んでいく。これをえつりと呼ぶが、ここのえつりは伝統的なものとは違う。編み込むと言うよりタッカーで柱に打ち付け、竹と竹同士もタッカーで留める。


出来上がってくると、それはまるで大きな竹カゴのようで、これでもいいんじゃないかと感じるくらい。自然素材で作る建築というものは、それが例え下地の状態であろうが、それぞれの段階で美しいのだ。だから自分たちも例え下地の状態だからといって手を抜けない。下地であっても綺麗に美しく作りたい。

この窓周りが一番苦労した部分だ。アルミサッシの周りに上手く土が付くようにシュロ縄を巻いた竹をぐるりと回した。他の開口部分も同じく苦労したが、こここそが、この建物の見せ所になるのだ。

つづく