• Mobile 090-3385-2706
  • wood@mokkagura.com

小さな円いカフェ

小さなカフェの作り方その4

壁にえつりを編む

屋根が出来たら、次は壁だ。ここの壁は円いので、どう仕上げたらいいのかが課題であったが、それはK山左官が一瞬のうちに解決したことは、先般お伝えした通りだ。→ジュリー珈琲制作秘話

竹割器で竹を割る

壁に使うのは、竹と土のみだ。竹はいくらでも曲がるので曲線下地を作れるし、大体の形を作っておけば、あとは土でどんな風にでも塗っていける。

材料に使う竹は、自分たちで山から切ってきたもの。それを写真のような竹割器で、いい具合の幅に割る。もちろん竹の太さはまちまちなので、いく種類かある竹割器の中から太さに合わせてチョイスするのだ。

竹というのは、経験した人ならと思うが、とっても気持ちよくパカっと割れる。まさにあの”竹を割ったような性格”と形容するように、あと腐れなくスカッと割れる。

まだ未経験の方がいたら是非とも一度体験してほしい。あなたも竹を割ったような性格になるかもしれない。


その割った竹の節を取り、壁に沿って編み込んでいく。これをえつりと呼ぶが、ここのえつりは伝統的なものとは違う。編み込むと言うよりタッカーで柱に打ち付け、竹と竹同士もタッカーで留める。


出来上がってくると、それはまるで大きな竹カゴのようで、これでもいいんじゃないかと感じるくらい。自然素材で作る建築というものは、それが例え下地の状態であろうが、それぞれの段階で美しいのだ。だから自分たちも例え下地の状態だからといって手を抜けない。下地であっても綺麗に美しく作りたい。

この窓周りが一番苦労した部分だ。アルミサッシの周りに上手く土が付くようにシュロ縄を巻いた竹をぐるりと回した。他の開口部分も同じく苦労したが、こここそが、この建物の見せ所になるのだ。

つづく

小さなカフェの作り方その3

屋根に桧皮を張る

そして、出来上がった円錐屋根に張るのは檜の皮、いわゆる檜皮葺(ひわだぶき)だ。檜皮葺といえば、古式ゆかしい神社などの屋根に張ってあるあれだが、あれとは使っている材料は同じだが、同じではない。もっと簡略化して葺いている。

ここの屋根張りを担当したのは、弟子の桝屋。彼は以前にも日本料理 朔の屋根を貼ったことがあるので手馴れたものだが、短く切った皮を一枚づつ重ねて貼っていくのは、それなりに根気のいる作業である。

そうして葺き上がった屋根がこれだ。

何とも美しい。

屋根の円い曲線と相まって、コンセプト通りのファンタジーな雰囲気を醸し出してきたではないか。

つづく

小さなカフェの作り方その2

前回からの続き、今回は屋根を作るところからの始まりだ。

とんがり屋根作り


真ん中に見えるのが、かぶら束。宙に浮いたこの束に周りから垂木を差していく

屋根作りは、かなりの難所である。図面はかなり細かく書くのだが、最終的に寸法が出せない部分があり、そこは現場合わせで苦労して作り上げた。

この屋根の構造が見せ所なのだ!
上から見るとこうなっている

そう、この真ん中部分がややこしい。でも何とかクリアして、次はこの上に杉板を貼る。

杉板を貼ると屋根の形が見えてきた。

この時点で、12角錐形の屋根が出来た。そしてここからがまた難所である。12角錐から円錐へと持っていかなければならない。その為には、まず軒先を円く作り、それから頂点に向かう下地を作って行く。

円くカットした軒先。見慣れない不思議な形だ。
下地が細かく入る。白く見えているのは、断熱材。

野地板は細かく、そして円くなるよう曲げながら張る。
そしてルーフィングを張って一丁上がり。これでひとまず雨が降っても安心だ。

かくして、苦労の甲斐あって、完全なる円錐形の屋根が出来上がったのである。

つづく

小さなカフェの作り方その1

ではここら辺で、この円いカフェの製作工程を、順を追って説明していきたい。

まずは、このカフェの完成イメージを見ていただこう。

コンセプトはおとぎのハウス、といったところであろうか。とにかくありきたりの建物にはしないでおこう、と一人固く決意して、図面を書き進めた。

絵に描くのは簡単だが、やはり作るとなったら一手間もふた手間も掛かる。この傾斜した壁、とんがり屋根、円くなった扉などどれを取っても難儀な仕事だ。しかし、我々もっかぐらのメンバーは楽な道など選ばない。あえてこの難儀な仕事に挑戦するのだ。

しかしどれだけ難しかろうと、床面積10平米にも満たない小さな小屋である。大丈夫、何とかなる。というか成るように成る。為せば成る。

基礎

12角で作った型枠の中にコンクリートを流し込む。そしてコンクリートがよく乾いたら、その縁に沿って12角の土台を敷く。

建て前

そしていよいよ建て前だ。柱を1本づつ建ててゆくのだが、傾斜しているので最初は不安定である。しかし横梁を繋げていくに従って、しっかりと固定されていく。

こうしてみると、何かのモニュメントのよう。
繋げていくと、意外としっかりしている。
そして柱が立ち上がった。

12角で繋がった柱。このように円く繋がると、力が均等に分散され、倒れることはない。トンネルの天井とか、アーチ状の橋脚とかにあるように、円形のものは強いのだ。そして次回はいよいよトンガリ屋根である。

続く

123