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伊賀の石場建ての家

伊賀の石場建ての家(6)環境負荷の低い石場建ての家

 

さて、伊賀の石場建ての家は、その名の通り石場建てだ。その石をどう据えるか、柱との取り合いはどうするのか等々、Shigezo氏は何枚も図面を描き、その度ごとに我々職人と打ち合わせて、連日頭を悩ませ続け、そしてとうとう仕様が決まって、本工事に入る運びとなる。

Shigezo氏のWebサイトはこちら→シンプルな杉の家

 

現場で建築位置を確認

 

石場建てにする理由

 

さて、これは前回にも述べた通り、それこそが環境負荷の低い家づくりだからである。たくさんのコンクリートを使うのは大変なエネルギーを消費している。そして石を据えてその上に家を建てるのは、昔ながらの伝統的な家づくりだ。ハイテクではない、ローテクである。そのローテクこそが持続可能な社会での家作りとなりうる。そして耐震上も決して不利にはならない。石の上に固定せず建てることは、ローテクな免震構造となる。

 

以前建てた松阪の石場建て現場

 

もう一つ、地面をコンクリートで覆わないことにも意味がある。大地の呼吸を止めないようにすることだ。それについてはまた後日詳しく書きたい。

 

基礎石が搬入される

 

時は2017年初冬。いよいよ基礎工事がスタートした。石を据えるのは、いとか工務店の今西さん。ニックネームはユウ君だ。

 

ユウ君は木神楽で建てた松坂の石場建ての家のお客様。土木会社の凄腕オペレーターであったが、現代土木に希望を無くし、自然と向き合う脱コンクリートの土木会社を一人立ち上げる。この伊賀の現場は、彼が独立してからの初舞台でもある。

 

 

 

ユンボに乗らせたら、おそらく右にも左にも出る人はいないだろうと思われるくらい、まるで自分の手足のように使いこなす。

 

 

現場に掘られていく穴、そして搬入された焼き杭。これから何が始まるのかは次回に続く。

 

 

伊賀の石場建ての家(5)持続可能な社会での家作り

さぁ、しばらく更新してなかった伊賀の石場建ての家について、どんどんといこう。

今までのブログ続きは、こちらをご参照あれ→ 伊賀の石場建ての家  

 

 

今回の伊賀の石場建ての家は、ヨットから古民家再生まで設計する建築家Shigezoの設計によるものだ。

ここでは彼の考え・ポリシーに基づく設計理念について触れてみたい。

 


 

 

前回に書いた地盤調査で、しっかりした地盤であることが判明。そして自然との共生をテーマとする今回の家づくりにおいて、石場建てになるのは自然の流れであった。もちろんそこには、Shigezo氏の綿密な計算と、何よりもお施主様の深い理解があったからに他ならない。

Shigezo氏の設計のコンセプトについては、このページに詳しく書かれている。

 

シンプルな杉の家/中村茂史一級建築士事務所

 

 

 

持続可能な循環型社会を目指して

 

彼の設計は、まずは理想的な社会はどうあるべきか、というところからスタートしている。彼も、そして私たちも目指すところは、持続可能な循環型の社会であることだ。この地球は、我々人間だけのものでは無いし、そう思ってこのまま環境破壊し続ければ、結局のところ自分達が手痛いしっぺ返しを受けることになる。動物も植物も共にこの地球上に生きる仲間だ。もちろん生きていく上で彼らの命を頂戴するのだが、そこには決して驕りがあってはならない。

 

 

さてさて話を戻して、現在の日本には戦後に植林された大量の杉の木が、伐採期を迎えている。それらの木を切ることは環境破壊にはならない。その杉の木を有効利用して、構造・仕上げ材だけに留まらず、断熱にも利用して、なるべく建材類を使わない環境負荷の低い家づくりであるのが、彼の手がける家の特徴だ。それらの家は非常にシンプルでしっかりした構造であり、良質な住宅ストックとなるのだ。

 

 

 

ちなみに彼は、古い茅葺の古民家に住んでいる。現在の日本では、無理に新築しなくとも程度の良い古民家はたくさんある。それらを改修して住めば、それが一番環境負荷が少ないであろう。そもそも人間の経済活動自体が、地球環境には良く無い。しかしそんなことを言ったら何も出来ないので、少なくともこの地球に住まわせてもらっているという謙虚さを持って、生きたい。

 

 

伊賀の石場建ての家(4)地盤調査の巻

さて、壁土の準備は整いつつあったが、現場では、もう一つの重要なミッションが進行する。

 

それは地盤調査。

家を建てる前に、まずそこの地盤がどうだかを調べる。それによって、基礎の設計などが変わってくる。

行うのは、スウェーデン式サウンディング試験。

 

 

いつもは、地盤調査会社に頼むのだが、今回は自分達でやる。

試験機は、大工仲間の住匠工房宮崎M崎さんからお借りした。

高価な機器で普通は持っていないが、こだわり変態大工なM崎さんは色々珍しい道具や機械を持っているのだ。

 

そしてまずは組み立て。

 

構造は非常にシンプル。先の尖ったキリが回転して、そこに重りが載るようになっている。

そして、その回転数と入った深さを記録していく。それによって、地盤の強度を計算するのだ。

 

 

 

結果。

地山を削った土地であることから予想はしていたが、とにかく固い地盤であることが判明。

ここなら、安心して家を建てられる。

そして、いよいよsigezo氏の基礎設計が本格化する。

 

つゞく

 

 

 

 

伊賀の石場建ての家(3)まず土を寝かす

 

現場へ持って来た荒壁土にも、もちろん藁スサは入っているのだが、ここからさらにたくさんの藁スサを入れる。

そして水を足してよく混ぜる。

実際に中へ入り、足でよくこねる。

 

 

藁スサが片寄らないように気をつけながら混ぜる。

ちょうど現場を訪れたお施主様も飛び入り参加。

遊んでいるわけではないのだが、泥遊びみたいで結構楽しい。

 

 

このようにしてよく練った土は、池のようにたっぷり水を入れて、乾かないようシートをかけておく。

(水を枯らさず管理できるのであれば、シートなど使わずに自然の池のように作るのが良い)

そうして数ヶ月間〜、時間があるなら1年でも2年でも寝かす。

そうすることで、とってもいい状態の土になるのだ。

 

つゞく

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