古民家を修理せよ③ 熊本へ旅立つ瓦職人

 

そして、春になり、イケメン瓦職人の北村さんは北海道から戻ってきた。

 
ちなみに彼の名は、伊織くんと言い、今後はその名で表記する。

さて、伊織くんに、屋根の状況を見てもらい、あまり予算を掛けずに、直せるような提案をしてもらう。

 

ところで屋根に穴が空いてた下の部屋は、土壁が剥がれ落ち、畳にもカビが生えて、大変な状況である。

この辺りの補修も含めて、施主様にお見積りを提出、ご了承を得た。

さあ、さっそく工事だ。伊織くん、工事始めるよ〜。

 

「え、もう決まったの?来週から熊本へ行く予定組んじゃった。」

なにー!!

 

しかし、彼は熊本へ遊びに行くのではない。去年の熊本地震で大きな被害を被った家々の屋根修理に行くのだ。
何でも向こうでは職人が圧倒的に足りず、泊まり込みで応援に行くのだという。

 

それでは致し方がない。熊本の1日も早い復興も大切だ。
そしてここでも、寛大なお施主さんの理解を得、瓦屋さんが戻ってきてから工事を始めることにした。

 
早く戻ってきてね、伊織くん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高橋一浩
  • 高橋一浩
  • 大工歴30年、小さな工務店大工社長が綴る独断と偏見のBlog。
    《木神楽》青山高原の麓に工房を構え、木と土の家・古民家再生・タイニーハウスなどを主に手掛ける。お役に立てることがあれば、何でもご相談を。