安くて早い仕事が出来ない3つの理由

ごめんなさい。安くて早い仕事は出来ません

皆様のお役に立ちたいと常日頃考えてはいるのだが、よくよく考えてみると、木神楽では安くて早い仕事は苦手だ。というか出来ないのだということに気が付いた。

1.安値競争には参加しない

大変申し訳ないが、木神楽は安値競争には参加しない。手作り・オンリーワン・そして誠実さを持って家作りに当たることが第一で、価格競争の家作りはしていない。材料も安ければいいという考えで仕入れない。産地がどこか、そしてどのように生産されたか、それが世界にどう影響しているのかを(決して大げさではなく!)、まず意識するようにしている。実際に仕事をする職人にも最低限支払うべき日給がある(決して多額ではない。職人の皆さんいつも無理言ってます。。)。そして工務店経営における最低限掛かる必要経費というものがある。それらを積み重ねたものが、うちからご提案できる価格であって、そこを削ってまで価格を下げる事は出来ない。

さらには、木神楽では独自の設計・ご提案を是としているので、そもそも他所とは価格の比べようがない。それでも安さ第一とするならば、まずは、ローコストに特化したところにご相談することをお勧めする。

2.設計には時間が掛かる

これも大変申し訳ないことだが、家作りのご提案には時間が掛かる。私の仕事が遅いだけ、、なのかもしれない。 ただ、設計って間取りを作ればいいだけではない。そこにお施主様がどう暮らすのか、その地にどう建つのか、その家がどういう存在となるのか、そこを感じ取るのに時間が掛かってしまうのだ。まだまだ設計者として、家作りを提案するものとしての至らなさを痛感する次第である。

3.手作りの家は時間が掛かる

なるべく早く作りたい。仕事は早く済ませたい。でも既製品を買って取り付けるのではなく、木材を加工して取り付ける、土を練って塗って、そして乾くのを待ってさらに塗る、など全てさっさと終わるものではない。考えてみれば、そこに生涯住む家を作るのに、どうして時間を掛けちゃいけないのだろうか。

安くて早くは出来ないが、出来うる限りのことはしたい

でも、うちでも出来ることは取り組みたい。お客様が必死にご用意されたであろうご予算の中で、できうる限りのご提案はしたい。

材料に関しては、市場でまとめて仕入れる、B級品と呼ばれるもの(ちょっと傷があったりするもの)も使い方次第では全然問題なく使えるので、そういうのも仕入れたりしてコストを下げる。

職人の日給を抑える事は出来ないが、工程を減らすことでコストを抑える。設計の段階で、なるべく工程を減らすよう考えることだ。

コストを落とす方法のひとつに、セルフビルドを組み入れるということもある。お客様ご自身がどこまで出来るか、どこまで時間が取れるかによる。


こんな間に合わない工務店だが、何でもご相談に乗らせていただくので、気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください。

大工歴30年、小さな工務店社長が綴る独断と偏見のBlog。 《木神楽》青山高原の麓に工房を構え、木と土の家・古民家再生・タイニーハウスなどを主に手掛ける。お役に立てることがあれば、何でもご相談を。