古民家の傷みやすい箇所とその対策《前編》〜雨漏り改修現場より

山間部の古民家に見られる傷みやすい箇所

まずは、この絵を見ていただこう。

山間部によく見られる立地を簡単な絵にした。いろんなパターンがあるが、おおよそ家は南向きに建てられている。

このような場合、山側から湿気が来やすく、部屋の床下がジメジメしていることが多い。山があるので風も通りにくい。そうなるとそこの部分が腐りやすく、シロアリ被害も出やすくなる。

湿気対策は?

対策としては、

1、風が通るように、家の周りを片付ける・木や草を刈る。

2、山側の溝を深く掘り、山からの流水を減らす

3、家の外の地面が家の中の地面より高くなってしまってる場合、周りを低くする。

4、床下の通気を改善する。

もう一つ、湿気が上がらないように防湿フィルムを敷いて、防湿コンクリートを打つ手もある。

では屋根の雨漏り改修中の古民家から、その実例を見てみよう。

生い茂った樹木と草を刈る

このお宅は、普段住まわれていないので、家の周りの木や草が、かなり伸びていた。それらを伐採して風が通るようにした。

南に面したお庭だったであろうところも、鬱蒼と茂っていた。
うちの近所の、草刈り隊に頼む。彼らは年配であるが、頼りになるシルバーチームである。
木を切ると庭が明るくなり、風が抜けやすくなった。
家の裏手側。山から鬱蒼と樹と草が生い茂っていたが、ここも刈ることで明るく、風が抜けやすくなった。この山際に、半分埋まった溝があるのだが、それも掘り返して深くしておくといいだろう。

樹木や草が伸びていた方が、自然環境としては良いだろうが、ここでは家の湿気対策を優先している。では、次回は中の様子を見ていただく。

つゞく

大工歴30年、小さな工務店社長が綴る独断と偏見のBlog。 《木神楽》青山高原の麓に工房を構え、木と土の家・古民家再生・タイニーハウスなどを主に手掛ける。お役に立てることがあれば、何でもご相談を。