どこから雨漏りしているのか?後編〜古民家改修現場より

前回の続き編。ぱっと見た目には何ともなっていない、屋根からの雨漏りの原因は?

雨仕舞いは難しい

何だか答えになっていないが、雨仕舞いは難しい。その一言に尽きる。しかし雨水の流れる特性・性質をよく考え、見極めれば自ずと答えは出る(はず)。

隅棟に起こりやすい雨漏り

屋根の谷になっているところは雨が集中し、雨漏りしやすいのは誰でもわかるだろう。しかし隅棟も実は雨漏りしやすい。私が見た古民家では、隅棟から雨漏りしている例が結構多い。隅棟は、瓦を三角に切って葺いていくのだが、棟の中に雨が入りやすい構造だと言える。

以前、みえ木造塾で講師に来ていただいた、東海大学名誉教授の石川廣三先生の話が分かりやすい。石川先生は雨仕舞いについて長く研究されている方である。

とある瓦屋さんのウェブサイトに、石川先生の話が分かりやすくまとめられている。↓

また別の瓦屋さんのyoutubeにも解説動画がある↓

↑このような原因がある。

さてこの現場では、いつも頼りにしている北村瓦店の北村氏が屋根を直しに来てくれた。

彼は京都で修行し、父親の後を継いで瓦職人となった。難しい和瓦の施工も安心して任せられる。
雨漏り付近の瓦を剥いで、雨の通り道を確認する。

ここでは隅棟は解体せずに、棟下の土を詰め直し、漆喰を施工し直して雨漏りを止めた。ここのもう一つの雨漏りの原因は、雨樋が外れていたことによって、隅棟付近に大量の雨が流れたことにもあるようだ。

なかなか断定的なことが言えずに申し訳ないが、私に分かるのはこれくらいのことだ。また機会があったら、直接北村氏に、雨仕舞いのことを色々語ってもらいたいと思っている。


雨漏りのことで心配なことがあれば、ご相談に乗らせていただきます。初回ご相談は無料、遠方の場合は出張費が、また詳しく調べるには、調査費用が発生する場合がございます。

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大工歴30年、小さな工務店社長が綴る独断と偏見のBlog。 《木神楽》青山高原の麓に工房を構え、木と土の家・古民家再生・タイニーハウスなどを主に手掛ける。お役に立てることがあれば、何でもご相談を。