古民家を修理せよ⑤古民家は定期的に風を通そう


さて、新たに見つかった箇所も、瓦をめくり、下地からやり直しだ。

実はこれらの箇所は、下からシロアリが登ってきて蟻害も見られた。

雨漏りを放置すると、木部は腐るだけでなく、シロアリも入り易くなる。

因みに、この地域でみられるヤマトシロアリは、雨漏りを止めればこれ以上被害を広げることは無い。ただ湿気の多い足元は要注意ではある。

そうして、この面も、傷んでいる瓦は全て交換した。

これで暫くは大丈夫である。

ただ、定期的に点検は必要だ。今回のように雨漏りを放置しておくと、大掛かりな工事になってしまう。

古い家を空き家で持っている方は、沢山みえると思うが、決して放置せず、時々見に行ってほしい。

その時は、雨戸を開け、風を通すと、家の中の空気も通り、カビ予防にもなる。

ここで、屋根に登らなくても分かる雨漏りチェックの方法。

当然、水が伝ってたり、水が流れた跡があれば、それは雨漏りの可能性がある。他に、雨が漏れていると、シロアリも入り易い。特に鴨居より高い位置までシロアリが入ってる場合は、雨漏りを疑った方が良い。他に天井板に水に濡れた紋が付いているとか、土壁が崩れてきている、など、室内から分かる箇所は多いのだ。

そこで何か疑わしい箇所を発見したら、建築屋さん、若しくは瓦屋さんにチェックしてもらうのが良い。

ただし、しっかりとした技術も無くリフォームを勧める建築会社もあるので、そこのとこの見極めは必要である。

大工歴30年、小さな工務店社長が綴る独断と偏見のBlog。 《木神楽》青山高原の麓に工房を構え、木と土の家・古民家再生・タイニーハウスなどを主に手掛ける。お役に立てることがあれば、何でもご相談を。