松阪の土壁の家⑪ 三和土工事は、ハードワークである

さて、松阪の家の玄関三和土は、小山左官が叩いて作った。
そして、玄関外のポーチの三和土は、何とお施主さん施工である。
叩いて作っていく過程は、非常に単純明解だが、中々奥が深い。
土の配合、叩き締める具合、そして苦汁の役割など、非常に興味深いものだ。

半田の家 玄関三和土

工程の写真は無いが、何層にも渡って順々に叩いていく。最後は、表面が黒光りするくらいまで叩き締める。
使う道具は、左官屋手作りの、叩き棒だ。

その棒を使って土面を強く叩き続けるのだが、それは腕にかなりの負担なのだ。
それって機械で出来ないものか、と思われるだろうが、微妙な叩き加減が、機械では中々上手く再現出来ない。

せめて、もっと腕に負担の掛らない叩き棒が作れないか、と考え中だ。
さて、ポーチの三和土を自分で作った、ここのお施主さんは、結構色々出来る人だ。
お仕事は土木系なので、土やセメントなどについての知識が半端なくスゴイ。

そして、ここの地盤はお施主さん監修のもと、木神楽とお施主さんで作ったのだ。

次回はそのお話しをしよう。

大工歴30年、小さな工務店社長が綴る独断と偏見のBlog。 《木神楽》青山高原の麓に工房を構え、木と土の家・古民家再生・タイニーハウスなどを主に手掛ける。お役に立てることがあれば、何でもご相談を。