土壁を丈夫に作る方法〜木と土の家

土壁を丈夫に作る方法

民家の改修とかでよく見る土壁は、剥がれかかっていることが多い。何故かというと、荒壁を塗るときに片面を塗ってそれが完全乾燥してからもう片面を塗るという工程だからだ。

荒壁を表裏一体にする

その方が当然乾きが早いのだが、裏と表が一体になりにくい。だから表と裏が剥離しにくいように、今日表を塗ったら、明日裏面を塗る、という風にやるのだ。そうすることで、表裏一体となり、剥離しにくい荒壁となる。

間を一日置くのは、片面がある程度固まらないと、その裏面に塗ることができないからである。

大直しは何気に塗ってはならない

次はその上に塗る大直しが、これまた重要である。大直しは荒壁の上に塗る工程だが、荒壁のひび割れや表面の凹凸に食い込むよう、強く擦り込むように塗ることが大切だ。ここをさらっと塗ってしまうと剥がれやすい壁になってしまう

材料の配合が大切

土壁は、一番下地となる荒壁が一番強い材料となる。その上に塗っていく大直し、その次の中塗りなどは、徐々に砂の配合を多くするなどして、元の土壁より弱い材料を塗りつけていくのだ。そうすることで剥離しにくい壁となる。

表面に強い壁材を塗ると、めくれ上がったり、ひび割れが出てくるのだ。

それでは、今取り掛かっている木と土の家を見てみよう。

荒壁を塗る

施主様も当然施工されたのだが、メインで荒壁を塗ったのはK山左官とその手元をするN内さん。

荒壁は次々に早く塗られていくので、塗り手と差し手といった役割分担がある。
さらに、材料を練り運ぶ係も要る。寝かせてある場所の土に水や藁を足して配合を調節する。ここでは大工のI山氏が活躍。彼は大工だが土壁施工も左官顔負けで行うベテランだ。
I山大工がこの時の様子を動画にしているので、見られたし。
荒塗りは一気にやってしまいたいので、いつも応援を呼ぶ。今回も静岡からK山氏が来てくれたし、うちの大工職人もできる範囲で手伝った。

今回の話は少し専門性が高く、また私の説明も下手くそなので、一般の方にはよく分からないかもしれない。

もっと土壁のこと知りたいって方はこちらから↓

工程が詳しく分かる、I山大工の土壁解説動画はこちらから↓

大工歴30年、小さな工務店社長が綴る独断と偏見のBlog。 《木神楽》青山高原の麓に工房を構え、木と土の家・古民家再生・タイニーハウスなどを主に手掛ける。お役に立てることがあれば、何でもご相談を。