さて、海の見える家は、いよいよメインの改装場所、和室周りの造作に入る。
二間あった和室の部分を、構造は残しつつ、ガラッと間取りを変えてしまうのだ。
まずは、天井部分を施工する。
ここは、屋根の勾配を生かした吹き抜け天井になる。
屋根面に沿って天井下地を作り、そこに断熱材を入れていく。
吹き抜けになるので、とっても天井が高くなり、開放感が生まれるが、それだけ気積(部屋の床面積×高さ)も大きくなるので、断熱をしっかりしとかないと、寒い部屋となる。
ちなみに、この家は標高200mほどのところに建っていて、冬はそれなりに寒い。
当然ながら、断熱改修も今回の工事の重要事項でもある。
土壁は付いているが、天井や床には断熱材は入っていないのだ。
天井面に入れ終わった断熱材。
ここで使用したのは、高性能グラスウールと言われるものだ。
そして、ここでは写真はないが、他の改装する部屋の天井面には、押出法ポリスチレンフォームを施工。
これらは、石油を利用した化学製品であるが、コストと断熱効率を考えて選択している。
劣化を遅らし、性能を発揮させ、長く持つ家にすることを念頭に置きながら、丁寧に施工することを心掛けている。
つづく
チムニー設置の続き
大工が作った四角いチムニーの周りに、ガルバリウム板金が貼られ、その上に煙突が取り付けられた。
簡単に書いているが、このチムニーと瓦の雨仕舞いは難しい。
板金を2重に入れ、万が一の雨漏りにも備えて作ってあるが、古くなって瓦がズレてきた時などは注意が必要である。
そしてチムニーが出来たところで、いよいよストーブの設置だ。
ストーブ設置は、近くの薪ストーブ取扱店stove & cafe OZAKI に依頼。
取り付けるストーブは、最近ここの店主O崎氏一押しのAGNI-CC。
これは、岐阜の鋳物メーカーで作られている高性能な国産薪ストーブである。
このストーブは、鋳物の質の良さもさることながら、このようにバラバラに分解でき、運搬やメンテナンス性に大変優れているのだ。
つづく
美杉から現場に戻った我々は、早速壁を塗る準備に取り掛かる。
今回塗る壁は、こちら、スモールハウスの正面壁。
数日前に、下地モルタルを施工済みだ。
現場で待機していた弟子の桝屋、スノーボーダー坂下と合流し、K山左官を含めた4人で壁塗りの準備を始める。
まずは、朔で拾ってきた陶器のカケラを、ハンマーでさらに細かく砕く。
それらを土に混ぜ込み、一緒に壁に塗り込むことによって、面白い壁になると考えたのだ。
もちろん、美杉町の朔由来の壁だという証でもある。
さていよいよ壁に付ける。
先ずは接着の役目を果たすモルタルを塗り、その上から、美杉で採取してきた土を塗りつけていく。
塗り方は、手でぐちゃっと。付けた土の大部分は、パラパラと下に落ち、唯一モルタル面に接着している土だけが残る。
そんな感じでどんどんと塗り進める。
そう広くない面積なので、半日ほどで終了。
そうして、塗りあがった壁がこれだ。
この状態は、まだ塗りたてなので、完全な仕上がりでない。
この後、日を置いて、乾いた壁面の余分な土を擦り落とす。
さらに接着力を高めるために、樹脂ボンドを吹き付けると、ようやく大地の壁の完成である。
続く
解体が終わって、いよいよ内装工事。
ここでの大工工事は、スノーボーダー坂下と、大工5年目桝屋のコンビを中心に進める。
今回の工事では、オーナーとともに器具付けや水道工事も自分達でやってしまうことにした。
ホームセンターで材料は揃うので、それを買って取り付ける。
車で1分程度のところにコメリがあるので、なんとも便利な現場である。
さて、このお店の名前、ラフターズカフェについて、説明しよう。
ラフターのラフは、英語のLaugh、笑うの意味だ。
笑う者、笑顔が集う場所になるようにとのオーナーの想いが込められた、なんとも素敵な命名ではないか。
ちなみに、このお店で提供するのは、ピザを中心としたメニューで、夜はお酒も出すとのこと。
今から、お店のオープンが待ち遠しい。
続く