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タグアーカイブ 竹小舞

建て前が終わったらまずやること〜木と土の家建築中

貫を入れ、クサビで留める

貫とは柱を貫通させる部材のことだ。その貫を何段にも柱に通すことによって、建物の剛性を出す。ここがとても重要で、地震時にはそれらが柱にめり込むことによって、建物は倒れないのだ。

松阪の土壁の家 Part6 えつりを掻く

そして、えつり掻きが始まった。えつりとは竹小舞のことである。
古い日本家屋で、崩れた壁の中から露出していたりする、アレだ。


竹は、外に置いておくと、直ぐに虫に食われたりしてボロボロになるが、乾燥した土の中に入って外気と遮断されていると、100年でも200年でも持つ。

 

さあ、ここからは、ささっと説明してしていく。

これは準備した材料。小山さんが前年の秋、新月前後に切り出した真竹。
ちまたによく生えている孟素竹は、タケノコを取るにはいいが、肉厚過ぎて、えつりには向かない。

そして小舞を掻き始めるクマさんこと小山左官。

 

夜もご飯食べたら寝るまでえつり掻き。もちろん現場泊まり。多分、夢の中でもえつり掻きしてたと思う。

途中、うちの大工連中や応援の左官屋さん、施主さんが手伝ったりしたが、ほぼ小山さん一人でやり抜く。

その出来上がった竹小舞があまりに美しい!これはちゃんと写真に撮って残さなければ。
ということで、加納カメラマンを呼んで、撮ってもらう。
加納さんは、建築写真専門のカメラマンである。彼に撮らせると、現実に建っているものより遥かにいい建築に見えるから不思議だ。

しかし、この家、いや、木神楽の建てる家は、写真に負けることなく現実も素晴らしい出来栄えであることは間違いない。

 

ライトアップすると、竹小舞ってとても美しい。もうこのままにしておきたいくらい。

その他の写真はこちらから

 

加納カメラマンも入れて、皆で記念撮影。

さあ、次はいよいよ、この竹小舞に土を付ける。
そして、遠く静岡から、あの男がやってくることになる。

 

つづく

 

 

松阪の家 土壁下地について

《松阪の土壁の家 Part5》

これは2016年5月頃のお話。
いつまでも去年の話を書いてる訳にいかないのだが、書くことがたくさんありすぎて、中々進まない。

さてさて、建前が終わり、いよいよ土壁付けに入る松阪の家。ここで使用する竹は、全て地元の山から切り出したものだ。
土は、この前年から現場でプールを作り、藁をたくさん掘り込んで、寝かしてあったもの。何もかも大変手間が掛かっているのだ。

そしていよいよ登場するのが、K山左官。

このシルエットでは、どんな人か分からんね。
こんな人です。

一目見てよく分かるように、見た目はクマさん、しかし飛び切り明るいムードメーカーの左官職人である。
彼は、その土地の材料を使い、愚鈍なまでに、ただひたすら伝統的な土壁を作る男だ。
ただ、彼は単に土壁を塗っているのでは無い。彼のやることには全て理由があり、それは今の経済理念で測ることは不可能。
その考えは人類を救うのか、いやそれとも破滅に導くのか、、軽薄短小なわたくしには、そこら辺のことを語ることは出来ない。
気になる方は、直接会って話をしてみるといい。

彼が出てくるモバイルハウス編。こちらも読んでみよう。→ スモールハウスPart3  Part4

 

さあ、話を進めよう。この現場では工期がなく、予算も限られているので、その中でいかにいいものを作ることが出来るかが勝負となる。土壁においては、何よりも下地が大切。いくらウワベの化粧を綺麗にしても、その元となる下地がガタガタでは意味はない。

よって、まずはしっかりとした下地を作り、予算を抑えるには上塗りまでせず終わる、ということになる。

少し専門的になるが、簡単に工程ごとに簡単に説明する。

  1. 下地=えつり掻き  これは前年の秋に切った竹を割り、そして荒縄、もしくはシュロ縄でしっかりと編み込む作業。実は最も手を抜かれやすい場所であるが、最も大切な工程でもある。
  2. 荒壁塗り      荒壁とは、赤土に藁をたくさん入れ、長い間寝かして作った、粘り気のある土壁の材料である。これを、編み上げた“えつり”に塗りつけていくのだ。
  3. 裏返し      荒壁は、えつりの両面から塗りつけることになるが、そのタイミングも大切だ。この松阪の家では、荒壁も重要な構造になるので、大きな地震がきた時、簡単に剥がれ落ちてしまうことがあってはならない。そのために、両面から塗りつける荒壁同士が、しっかり一体となるように塗る必要がある。

ここまでが、下地の工程。

なお、竹を切る時期、荒壁を塗る時期など、季節によって左右される。
自然界を無視して、人間の都合だけでは決して進まない。それが自然素材を使った、伝統構法の家作りなのだ。

つづく

 

 

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