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タグアーカイブ 木と土の家

小さなカフェの作り方その4

壁にえつりを編む

屋根が出来たら、次は壁だ。ここの壁は円いので、どう仕上げたらいいのかが課題であったが、それはK山左官が一瞬のうちに解決したことは、先般お伝えした通りだ。→ジュリー珈琲制作秘話

竹割器で竹を割る

壁に使うのは、竹と土のみだ。竹はいくらでも曲がるので曲線下地を作れるし、大体の形を作っておけば、あとは土でどんな風にでも塗っていける。

材料に使う竹は、自分たちで山から切ってきたもの。それを写真のような竹割器で、いい具合の幅に割る。もちろん竹の太さはまちまちなので、いく種類かある竹割器の中から太さに合わせてチョイスするのだ。

竹というのは、経験した人ならと思うが、とっても気持ちよくパカっと割れる。まさにあの”竹を割ったような性格”と形容するように、あと腐れなくスカッと割れる。

まだ未経験の方がいたら是非とも一度体験してほしい。あなたも竹を割ったような性格になるかもしれない。


その割った竹の節を取り、壁に沿って編み込んでいく。これをえつりと呼ぶが、ここのえつりは伝統的なものとは違う。編み込むと言うよりタッカーで柱に打ち付け、竹と竹同士もタッカーで留める。


出来上がってくると、それはまるで大きな竹カゴのようで、これでもいいんじゃないかと感じるくらい。自然素材で作る建築というものは、それが例え下地の状態であろうが、それぞれの段階で美しいのだ。だから自分たちも例え下地の状態だからといって手を抜けない。下地であっても綺麗に美しく作りたい。

この窓周りが一番苦労した部分だ。アルミサッシの周りに上手く土が付くようにシュロ縄を巻いた竹をぐるりと回した。他の開口部分も同じく苦労したが、こここそが、この建物の見せ所になるのだ。

つづく

小さなカフェの作り方その3

屋根に桧皮を張る

そして、出来上がった円錐屋根に張るのは檜の皮、いわゆる檜皮葺(ひわだぶき)だ。檜皮葺といえば、古式ゆかしい神社などの屋根に張ってあるあれだが、あれとは使っている材料は同じだが、同じではない。もっと簡略化して葺いている。

ここの屋根張りを担当したのは、弟子の桝屋。彼は以前にも日本料理 朔の屋根を貼ったことがあるので手馴れたものだが、短く切った皮を一枚づつ重ねて貼っていくのは、それなりに根気のいる作業である。

そうして葺き上がった屋根がこれだ。

何とも美しい。

屋根の円い曲線と相まって、コンセプト通りのファンタジーな雰囲気を醸し出してきたではないか。

つづく

小さなカフェの作り方その2

前回からの続き、今回は屋根を作るところからの始まりだ。

とんがり屋根作り


真ん中に見えるのが、かぶら束。宙に浮いたこの束に周りから垂木を差していく

屋根作りは、かなりの難所である。図面はかなり細かく書くのだが、最終的に寸法が出せない部分があり、そこは現場合わせで苦労して作り上げた。

この屋根の構造が見せ所なのだ!
上から見るとこうなっている

そう、この真ん中部分がややこしい。でも何とかクリアして、次はこの上に杉板を貼る。

杉板を貼ると屋根の形が見えてきた。

この時点で、12角錐形の屋根が出来た。そしてここからがまた難所である。12角錐から円錐へと持っていかなければならない。その為には、まず軒先を円く作り、それから頂点に向かう下地を作って行く。

円くカットした軒先。見慣れない不思議な形だ。
下地が細かく入る。白く見えているのは、断熱材。

野地板は細かく、そして円くなるよう曲げながら張る。
そしてルーフィングを張って一丁上がり。これでひとまず雨が降っても安心だ。

かくして、苦労の甲斐あって、完全なる円錐形の屋根が出来上がったのである。

つづく

伊賀の石場建ての家(6)環境負荷の低い石場建ての家

 

さて、伊賀の石場建ての家は、その名の通り石場建てだ。その石をどう据えるか、柱との取り合いはどうするのか等々、Shigezo氏は何枚も図面を描き、その度ごとに我々職人と打ち合わせて、連日頭を悩ませ続け、そしてとうとう仕様が決まって、本工事に入る運びとなる。

Shigezo氏のWebサイトはこちら→シンプルな杉の家

 

現場で建築位置を確認

 

石場建てにする理由

 

さて、これは前回にも述べた通り、それこそが環境負荷の低い家づくりだからである。たくさんのコンクリートを使うのは大変なエネルギーを消費している。そして石を据えてその上に家を建てるのは、昔ながらの伝統的な家づくりだ。ハイテクではない、ローテクである。そのローテクこそが持続可能な社会での家作りとなりうる。そして耐震上も決して不利にはならない。石の上に固定せず建てることは、ローテクな免震構造となる。

 

以前建てた松阪の石場建て現場

 

もう一つ、地面をコンクリートで覆わないことにも意味がある。大地の呼吸を止めないようにすることだ。それについてはまた後日詳しく書きたい。

 

基礎石が搬入される

 

時は2017年初冬。いよいよ基礎工事がスタートした。石を据えるのは、いとか工務店の今西さん。ニックネームはユウ君だ。

 

ユウ君は木神楽で建てた松坂の石場建ての家のお客様。土木会社の凄腕オペレーターであったが、現代土木に希望を無くし、自然と向き合う脱コンクリートの土木会社を一人立ち上げる。この伊賀の現場は、彼が独立してからの初舞台でもある。

 

 

 

ユンボに乗らせたら、おそらく右にも左にも出る人はいないだろうと思われるくらい、まるで自分の手足のように使いこなす。

 

 

現場に掘られていく穴、そして搬入された焼き杭。これから何が始まるのかは次回に続く。