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ジュリー珈琲制作秘話

秘話といっても大した話はない。

このジュリー珈琲(以降、小さなカフェと呼ぶ)のオーナー様から連絡があったのは、かれこれ一年以上前の話だ。なんでも自宅の庭に小さな小屋を建てて、そこでカフェを始めたいと言うのだ。最近スモールハウスづいてる私としては、飛び上がらんばかりの楽しいお話である。

そこで、私から提案させていただいたのが、かねてから温めていた円い小屋のアイデア。実は以前このような円い建物を却下された経験があった。。

(それでも懲りずに)ダメもとでご提案したところ、思いもかけず気に入っていただき、全面的に制作を任される運びとなったのだ。

まずは、基礎の準備。見ての通り、まずは12角形が構造の基礎となっている。

円い建物となると、どうしてもイメージは、おとぎの国、ムーミンの世界にあるような感じになる。しかし果たしてそれをどうやって現実化できるのだろう。それを解く鍵は、うちが得意としている木と土の家作りにあった。

「今度円いカフェを作ることになったんだけど、円い壁をどうやって作ろうか?」私は職人たちに相談した。仕上げは土か漆喰で塗ろうとは思っていたのだが、問題はその下地をどうやって作るかだ。私も含め、大工達が頭をひねる中、土で塗ることにこだわり続けているK山左官はこともなげに答えた。

「そんなの竹を曲げて作ったらいいんですよ。竹ならどんだけでも曲がるし、そこに土を付ければどんな形でも作れますよ!」これで、また一歩前進だ。

続く

小さく作る円いカフェの話

事後報告になるが、去年の暮れに着工し、今年3月に完成した、タイニーハウス的な店舗のことを書こう。

住宅地の隙間に建つ、円いカフェ

そう、もう完成して、お店は営業を始めている。その名も『ジュリー珈琲』

ここは、津市の久居射場町のとあるお家の庭に建っているおうちカフェである。ハンドドリップの美味しい珈琲や、今流行りのタピオカミルクティーなどを提供している。

ここの店主はちょっと面白い人で時々えっ?というようなメニューがあったりするのだが、詳しくはinstagramにジュリー珈琲の公式サイトがあるので、そこで検索されたし。

さて、この店は、見ての通り曲線を多用したユニークな建物だ。ご存知の通り、通常の建物は四角く、直線によって構成されている。それは何故かというと人間が機械などを使って加工するには、直線加工が最もコスト的に効率が良いからだ。よって直線、90度、そしてそれを利用した四角い建物が建てられるのである。

しかし、自然界の造形に直線はほとんど見られない。人間の住むところも、あまり道具がなかったその昔は、自然界のものを生かした曲線的な建物で構成されていた。それがいつしか道具を使い、機械を発明し、効率を追い求めていく中で、建築物は、直線で構成されるようになったのだ。

確かに直線は決して悪くはない。角が立ったピリッとしたものは、それは素敵で、人間にしか作り出せないであろうとも思う。

でもそういう世の中だからこそ、曲線的な建物があると、人々は心惹かれるのである。

続く

伊賀の石場建ての家(6)環境負荷の低い石場建ての家

 

さて、伊賀の石場建ての家は、その名の通り石場建てだ。その石をどう据えるか、柱との取り合いはどうするのか等々、Shigezo氏は何枚も図面を描き、その度ごとに我々職人と打ち合わせて、連日頭を悩ませ続け、そしてとうとう仕様が決まって、本工事に入る運びとなる。

Shigezo氏のWebサイトはこちら→シンプルな杉の家

 

現場で建築位置を確認

 

石場建てにする理由

 

さて、これは前回にも述べた通り、それこそが環境負荷の低い家づくりだからである。たくさんのコンクリートを使うのは大変なエネルギーを消費している。そして石を据えてその上に家を建てるのは、昔ながらの伝統的な家づくりだ。ハイテクではない、ローテクである。そのローテクこそが持続可能な社会での家作りとなりうる。そして耐震上も決して不利にはならない。石の上に固定せず建てることは、ローテクな免震構造となる。

 

以前建てた松阪の石場建て現場

 

もう一つ、地面をコンクリートで覆わないことにも意味がある。大地の呼吸を止めないようにすることだ。それについてはまた後日詳しく書きたい。

 

基礎石が搬入される

 

時は2017年初冬。いよいよ基礎工事がスタートした。石を据えるのは、いとか工務店の今西さん。ニックネームはユウ君だ。

 

ユウ君は木神楽で建てた松坂の石場建ての家のお客様。土木会社の凄腕オペレーターであったが、現代土木に希望を無くし、自然と向き合う脱コンクリートの土木会社を一人立ち上げる。この伊賀の現場は、彼が独立してからの初舞台でもある。

 

 

 

ユンボに乗らせたら、おそらく右にも左にも出る人はいないだろうと思われるくらい、まるで自分の手足のように使いこなす。

 

 

現場に掘られていく穴、そして搬入された焼き杭。これから何が始まるのかは次回に続く。

 

 

伊賀の石場建ての家(3)まず土を寝かす

 

現場へ持って来た荒壁土にも、もちろん藁スサは入っているのだが、ここからさらにたくさんの藁スサを入れる。

そして水を足してよく混ぜる。

実際に中へ入り、足でよくこねる。

 

 

藁スサが片寄らないように気をつけながら混ぜる。

ちょうど現場を訪れたお施主様も飛び入り参加。

遊んでいるわけではないのだが、泥遊びみたいで結構楽しい。

 

 

このようにしてよく練った土は、池のようにたっぷり水を入れて、乾かないようシートをかけておく。

(水を枯らさず管理できるのであれば、シートなど使わずに自然の池のように作るのが良い)

そうして数ヶ月間〜、時間があるなら1年でも2年でも寝かす。

そうすることで、とってもいい状態の土になるのだ。

 

つゞく