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伊賀石場建ての家 web内覧会その1

ずいぶん更新をサボってしまい、もうとっくに終わってしまったが、改めて伊賀の石場建て新築について、その後を書いてみたい。

前回の更新はこちら

ちなみに設計は、奈良の一級建築士しげぞー氏である。しげぞー氏は、木の家ネットを介して知り合った、伝統構法においては見識の深い頼れる設計士だ。今回の家づくりにあたっては、しげぞー氏を中心に頼れる職人仲間でチームを組んで取り掛からせてもらった。素晴らしい環境の中で、思う存分仕事をさせていただき、施主様やしげぞー氏には、感謝しかない。

さて、もう完成しているので、竣工写真などを元にこだわった部分などについて説明したいと思う。

焼き杉と土壁、何より深い軒が家を長持ちさせる

鳥羽の土壁の家⑩ 柿渋と松煙が出会った

さあ、どんどん行きます。
お次は外壁を張る。

この鳥羽の家で使う外壁材は、杉板だ。
外壁用に、腐りにくい赤身だけで製材されているものである。

杉板の塗装は、もちろんお施主さん担当。

材料にこだわる施主さんは、自然素材だけで塗装できないか調べ、柿渋+松煙というのを探し出してきた。
何と柿渋を作っているお友達がいるとのこと。
その彼のアドバイスを元に、ほんまもんの自然塗料による塗装が始まった。

松煙とは、煤であり、ここでは顔料の役割を果たす。そして柿渋には固まり防水する性質がある。
このふたつを混ぜ合わせ、塗ることにより、色付けと木材表面の保護を兼ねる。

杉板の表面は、塗装が固着しやすいように、あえて削らず荒ら仕上げとした。
塗って乾いた表面は、何かがきらきら光っていて、とても美しい黒色だ。

一度塗って乾いた後、さらに二度目を塗ってもらい、更に深いブラックとなる。

これは張るのが楽しみである。
つづく

鳥羽の土壁の家⑨ 土壁の外に断熱材を入れる理由

鳥羽の土壁の家、続編。
施主さんが、頑張って塗った荒壁。

施主様ブログはこちら→ 自然と共に

荒壁土が乾いてきたところで、さあやっと大工さんの出番だ。

と、言いたいところだが、実はまだまだ土塗りは続く。
荒壁の上に貫伏せ、そして大直し、というさらなる左官仕事が待っているのだ。
荒壁の状態では、土壁というのはそれほど強くない。そして貫という構造体も見えたまま。
その上にさらに土を塗っていく事によって、壁の厚みを増し強度を出すのだ。

 

 

この作業は、外壁を張る前にしなければならない。ここも、もちろんお施主さん施工。
セミだろうが何だろうが、セルフビルドである以上、お施主さんに休む暇なんてない。

 

 

そうして、外部周りの大直しが出来たら、ようやくここで我々の登場である。
先ずは窓を取り付け、そして外壁下地を作るのだが、この現場では断熱材も入れる。

 

 

土壁にも断熱作用は有るが、あまり期待は出来ない。どちらかと言うと、蓄熱、蓄冷するものだ。

そうした時、土壁の外側に断熱材を入れることによって、土壁自体が外部の温度変化の影響を受け難くなり、室内温度も一定に保ちやすくなると考えている。

 

 

ここで使用した断熱材は、フォレストボードという、杉皮とパルプを固めたものだ。
この材料は、透湿性があり、土壁の吸放湿性能を損なわないし、天然素材100%である。

このように、土壁に密着させ、この上に胴縁という下地を打ちつけ、外側に通気層を設ける。
通気層とは、文字通り空気が通り抜ける層である。
断熱材内部に侵入した、雨や湿気を乾かせるために必要である。

そして、次は外壁だ!

つづく

 

鳥羽の土壁の家⑧ 土壁を付ける

鳥羽の家、現在もうほとんど完成している。連休中に、施主様セルフビルドの最後の追い込みで、仕上げまでいくのではないだろうか。

さ、話は去年に戻り、建て前が終わったところから始めよう。

建て前が終わり、いよいよ本格的にセルフビルドの始まりだ。土壁は全部セルフビルドだ。
左官屋さんにアドバイスを受けながら、えつり掻き、そして荒壁付けへと進む。

はい、お施主様ご夫婦登場。
基礎工事から始まり、土壁の準備や施工まで、ほんとに良くがんばりました!

 

木神楽メンバーも、荒壁を付ける初日に、お手伝いに行った。

土を練り直し、藁すさを足して、固さ加減を調整。
そして、施主様が編んだ竹小舞に、荒壁を塗りつけていく。

皆、泥だらけになるし、土は藁を入れて発酵しているのでとっても臭いのだが、それは全く苦にならない。
何でか、荒壁付けって楽しいのだ。大人の泥んこ遊びってもんだろうか。
こういう作業で、家が作られていくっていうのは、何度経験しても気持ちが良い。

 

 

鳥羽の土壁の家⑥ 手刻みは楽しい

飛び飛びの投稿ばかりで、読みにくくなってしまい申し訳無い。

これは、鳥羽の土壁の家土壁は大地そのものだ からのつづき、
じゃなかった、新築に古建具を使う方法のつづき。

 

出来れば、シリーズ通して読んでいただくと分かり易いかと思う。→鳥羽の土壁の家

  1. もりずむの木を使って建てる
  2. セミセルフビルドで完成させる
  3. 自然素材で作る
  4. 土壁を付ける
  5. 古建具をリサイズして使う
  6. 手刻みで作る

さて前回は、5の古建具まで行ったので、その次。

 

6. 手刻みで作る

まず、手刻みについて説明しよう。
手刻みとは、構造材の加工を、大工の手で行うことだ。え、当たり前じゃん、と思うかもしれないがそれは昔の話。
今、住宅の構造は、プレカットという工場生産が主流となっている。工場生産だから早くて、品質は均質、そしてコストも掛からない。手刻みで行う大工は今や絶滅危惧種だ。

しかしプレカットは、木の性質を読んで構造を作るとか、伝統的な木組みとかには対応していない。
そして何より、大工として面白くない。(ここ大事)
工場生産の家を建てるのは、プラモデルを組み立てるようなもので、大工じゃなくても建てられる。はっきり言って楽ちんだ。
しかし自分達は、自分たちじゃなければ建てられない家、職人技を発揮した家を建てたいのだ。幸い鳥羽の施主様もそういうのを望んでくれたから、手刻みでさせていただくこととなった。
しかし当然それなりにコストは掛かるので、そこらへんはよく考えて、施主様の大切な資金を無駄遣いしないようにする。

さて、鳥羽の家。
なぜ手刻みにしたかといえば、これは伝統的構法の家作りであれば、当然であろう。
工場生産のプレカットでは、仕口や木組みが見せられる仕様になっていないし、細かい配慮の木組みは行われない。
ちなみにこの家は、コストを考えボルトも使っているし、金物での補強も行っている。
しかし基本は長ほぞ差しと込み栓、そして壁下地は、数段の厚貫によって支えられている。
当然筋交いは無い。

手刻みは楽しい。自分たち職人の手で加工したものが、建て前の日に組み上がっていくのは感動ものだ。
その代わり、失敗していないか間違いは無いか、墨付けをした棟梁は、無事組み上がるまでドキドキなのである。

新築に古建具を使う方法

《鳥羽の土壁の家 part5》

5.古建具をリサイズして使う

これについては、コストダウンの為にこれを選択した。今はベニヤを使った安い建具があるのだが、この家にそんなのは似合わない。

ここの家は内部は全て引戸なので、日本の古建具が利用出来る。引戸は、気密性に欠けるが、開け放しても邪魔にはならないので、開放的な家作りには欠かせない。
うちには、あちこちの古民家から引き揚げてきた古建具が沢山あるので、その中から、良いのを選んで使う。ただ背丈が低いので、下に框を足して、かさ上げする事になる。

もちろん幅も確かめて、古建具が納まるよう念入りに検討した。

戸車は新しくし、Vレールにするので、スイスイ動く。

今回、主に使うのは、大阪格子と言われる格子と障子のハイブリッド戸。細い格子が繊細で、中々カッコいいのだ。

鳥羽の家を設計する

さて、鳥羽の土壁の家を設計するべく、現地にて打合せに行く。これもう2年くらい前の話し。

土地は、小高い丘の上。

平らで広々とし日当たり良好、後の調査で地盤も強固だということも分かった、中々良い場所だ。

またこれも後で判明するのだが、非常に風の良く当たる場所。(作業中も板とかの材料が吹き飛ばされるくらい)

これについては、台風とかの雨が良く当たる反面、良く乾燥するだろうから、家も長持ちするだろうと思う。

さてとにかくここの設計は、良く考えてこだわった。お客様とも何度も打合せし、何度も図面を引いた。あまりに色々詰め込み過ぎて、家が大きくなってしまったので、理想形より最終的には少し小さくした。

設計後半、色々悩みすぎたのと、他の現場との掛け持ちなどで、あまりに時間が掛かり過ぎ、お客様を随分待たせる事になったことは、結果として反省しております。

設計〜そして見積りの流れをいかに迅速に進めることが出来るか、ずっと考えている課題だ。

 

メインとなるリビング周りを少しだけ公開。

東南面は、ロフトまで広く開口を取り、冬は朝から夕方まで陽が当たる。その面だけ軒の出も深くした。

土間は、玄関からリビングまで続き、そこに薪ストーブを設置。

土間から、キッチン〜リビングへと少しづつの段差で流れるような動線を作り、一体感を出す。更に二階へ上がる途中にも中二階的な高さの踊り場を作り、そこにも居場所を作る、てな感じ。

構造に関しては、伝統的な木組みで行う。壁は竹小舞に土壁を付け、それを耐力壁とする。そして殆どの部材が表し(隠れずに見えてくる)。各部の納まりについては、メンテナンスを考慮して、あまり冒険はしないようにした。

もちろん材料は三重の木。そして今回はNPOもりずむの木を使うのだ。

つづく。。

鳥羽で建てている土壁の家

実はもうほぼ完成している、鳥羽の土壁の家。

 
棟上げの時、お施主様と一緒に棟木を納める建前直後の様子。

 

 

このblogで取り上げるのは初めてだが、去年の夏前には上棟している現場だ。
場所は鳥羽市。河口をほんの少し遡った、小高い丘の上にその場所はある。

お施主様との出会いは数年前、NPOもりずむさんからのご紹介だったと記憶している。

ちょうどその時施工していた美杉の朔の現場に訪ねてみえて、自分で家を作りたい、でも構造とか出来ないところも有るので、そういうところだけ依頼できるか、確か、そういうお話だったと思う。

そしてうちの他の現場や工房に何度か来ていただき、うちで施工させてもらうことになったのだ。

ということで、施主様の言葉を借りると、セミセルフビルドな家作りが、こうして始まった。

つづく(ホントに続くのかは分からない)

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