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四日市の町家再生

四日市の町家再生④ 設計の巻

今日は、現在進行中の四日市の現場の話。

どこの現場でも同じだが、まずは設計。
リフォームの場合、特に古民家再生は現場を詳しく調査する必要がある。長い年月を経ているので、老朽化、腐食、屋根、そして地震に対する耐力などを勘案し、再生計画を練る。

 

改修前ダイニングキッチン。

地震に対しての耐力計算だが、伝統構法の場合、限界耐力計算法というのを用いる。
かなり専門的なので、ここはsigezoの出番だ。
sigezoは、ヨットから伝統構法の家まで設計するスーパー設計士である。

 

さて、建築には当然予算がある。その予算内でどこまで出来るか、そしてどこまで直せるかが勝負どころだ。
改修工事というのは、新築に比べて遥かに手間暇が掛かるものである。
さて、その設計については、sigezo、お施主様含めて、随分と時間を掛けて検討した。

 

今回は施主様がデザイン関係なので心強い。

ここで、ちょっとお施主様のお仕事について詳しく述べておこう。
奥様がインテリアデザイン、旦那様がグラフィックデザイン関係である。
奥様は、建築関係ということで、現場のことを良く分かってらっしゃるので、打ち合わせの段階から、随分と助けていただいた。
旦那さんは、デザイナーらしく、ものすごく細部までこだわりがあり、ちょっと大変だが見習う点が多い。
とにかくそういうお施主様ご夫婦なので、内部の間取りから照明、家具の配置、コンセントの位置に至るまで、素晴らしく完成された図面を、ご自分達で作られるのだ。

こんなプロなお施主さまは未だかつていなかっただろう。

 

ちょろっとその完成された図面をご紹介。
これは電気図面。 恥ずかしながら、こんなに分かり易い図面は初めてかも。

 

この家での設計のポイントは、老朽化した水周りと耐震の改修だ。
他の箇所はなるべく触らず、キッチンや風呂、トイレを使いやすく作り直すことになった。

耐震については、計算して耐力の足らない箇所に壁を増やす。奥行き方向は耐力になる壁が多いので、大丈夫だが、間口方向は壁が少ないので、既存壁を補強し、さらに追加で耐力壁も設ける。
耐力壁は、ここでは構造合板を利用する。

さあ、仕様が決まれば、いよいよ工事に取り掛かるのだ!

 

 

東京探訪その2 ジャングル編

《四日市の町家再生 Part3》

そして、いよいよ目的の古建具屋へ向かう朝が明ける。お施主様ご夫婦を後ろに乗せ、お店のある新木場を目指す。
そして到着。

その名もひでしな商店。ご覧の通りどうみてもジャングル。新木場の倉庫街の中で、ひときわ異様をはなつ。
古民家再生の看板と、入り口付近に古材や建具が無造作に置いてあるから、ここに間違いないだろう。

3階建ての、そのお店というか倉庫は、中へ入ると、ビッシリ古建具や古道具で埋まっていた。

話を聞くと、東京ではこういう古建具の需要がけっこうあるとのこと。そのほとんどが、昨夜行ったような、風情ある趣きの店舗に使われる。

そして建具選び。施主様があらかじめ選んで伝えてあった建具がどんどんと奥から出されてきた。
ひでしな商店にはホームページがあり、そこで在庫の建具一覧が見られるようになっている。
それなりに在庫管理はされいるようだ。

そしてホームページでは分からなかった細かい部分や、サイズなどをチェック。ここでも施主様の緻密さが発揮される。

写真付きで何処にどの建具を使うかの間取り図を作成されており、一目瞭然で素晴らしく見やすい。
これは一刻も早く、木神楽のインテリア担当にスカウトしなければ。

自分は、他の現場で使おうと蔵戸を物色。そしてかっこいい蔵戸をGET! ちなみにこれは滋賀から引き揚げてきたそうだ。

もひとつ、こんな古い動くかどうか分からないボンボン時計も、お値打ちで手に入れた。

(これは帰ってからネジを巻いてみたら、正常に動き、木神楽の事務所で活躍している)

このひでしな商店、別の場所にも、大量の古材ストックを持っていて、見ていて飽きることがない。

近くなら毎日でも来たいところだ。

ひでしな商店に興味の湧いたかたはこちらを→hideshina.jp

 

そして満足した我々は、東京の下町でそばを食べ、施主様に別れを告げ、帰途についた。

東京編おわり

 

東京探訪に出掛ける、の巻

《四日市の町家再生 Part2》

 

さて、そんなこんなで、チーム古民家の面々で、四日市H様邸の町家再生のお手伝いをすることになった。

いつものごとく、図面・見積り作成に四苦八苦するのだが、今回は設計に強力な助っ人、sigezoさんが居るので心強い。彼は、伝統構法だろうが海に浮かぶ船だろうが、どんなものでも構造計算してしまう、プロ中のプロなのだ。

そんな彼の手助けを得ながら、図面は進む。

今回は、お施主さまが、インテリアデザイン関係ということで、具体的な間取りのイメージ、家具・器具から照明に至るまで、素晴らしく綿密な指示図面を作ってくれた。

おかげで、打ち合わせは非常にスムーズ。今後、他の現場でも、是非インテリアデザインをお願いしたい。

 

そして、いよいよ今回のお題の東京探訪。

東京にいい古建具屋があるというので、見に行くことになった。
このH様邸の町家再生においては、ほとんど全て、古い木建具を利用する。

アルミサッシという、便利で気密性が良くて、施工性の良いものなんて使わない。
これはあくまでも古民家再生なのだ。隙間風が吹こうがガタピシしようが、何より古民家に見合ったデザイン、質感が何より大切である。うん、素晴らしい!

木神楽では、この日の為に軽ワゴン車を購入。そう、うちには今までトラックしかなかったのだ。今後各地への移動に活躍してくれるであろう。
そして、sigezoさんを隣に乗せ、いざ東京へ。
お施主さんは東京住まいなので(町家再生が出来たら、こちらへ引っ越し予定)お施主様宅を目指す。

東京へ行くのは何度目かな、という自分は結構ワクワク。

sigezoさんは、なんと昔東京に住んでいたそうで、かなり詳しい。
そして、着いたその日の夜は、施主さんに案内してもらい、神楽坂とかいうおしゃれな街へ。ここは古い路地がたくさんあり、古い町家を利用した飲食店が密集している。その中の、もちろん町家を利用した何とも雰囲気のいいお店で、旨い酒を料理を頂く。

神楽坂の写真は撮ってないので、ネットから拾ったイメージ写真をどうぞ。

石畳の続く、ほんとに素敵な町だった。

 

さて、泊まりは当然車の中。この車中泊が出来るのも、ワゴン車を買った理由のひとつである。
ご覧のように、二人までならホテルのスイートにも劣らない。

 

翌朝起きてみると、隣には異様な建物。

 

 

此処に住んでいる人がいるらしい。何とも東京とは恐ろしいところである。

つづく

四日市で古民家再生はじまる

最初にお話を頂いたのは、去年の夏頃。改装したい古民家があるので、相談に乗って欲しいとの依頼。

 

そこで、我ら古民家好きにより結成された“チーム古民家”が出動する事となった。

チーム古民家のメンバーは、リーダーのsigezo(設計)、K山(左官)、丹羽(大工)、そしてわたくしの計4人のメンバーからなる。今回は、大工の丹羽君が、アメリカへお堂を建てに長期出張中なので、その他の3人で向かった。

 

 


場所は、すぐ近くに全国的に有名なコンビナート地帯がある四日市市中心部。周りはマンションやビルが多いが、ポツポツと古い家も残る所だ。

 

敷地は、間口非常に狭く、いわゆるウナギの寝床。ニ間半の建物が幅いっぱいに建っている状況。ま、町家ではよくあるパターンだ。そして町家の特徴である、入口を入って中庭までの通り土間、そして裏庭、奥に離れが建っている形式。

建築年式は、それほど古くはなく昭和の戦後になってからなので、約80年く らいか。

ここのお父さまもお爺様も大工で、手前の母屋はお爺様、離れはお父さまが建てたとこの事。

さて、その建物、なかなかいい感じの古さだ。物置き場所として使われているので、沢山の荷物があるが、おおよそこんな感じ。

裏側から見た、の図。片流れ屋根、いい感じにやれて錆びた波とたん。

中の一部は、洋間に改造されている。

母屋2階から、中庭を望む。複雑な増築により、水周りが作られている。

離れ二階から母屋を見たところ。

 

 


母屋一階の座敷から中庭方向を見る、の図。

 

母屋二階は、落ち着いた和室になっている。

最後にオマケの1枚。こんなごきげんなヒノキ風呂があるのだ。

モデルはSigezo
つづく