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小さなカフェの作り方 これで最後の左官工事


注)この現場は2019年2月に完了し
ています

これまで延々と左官工事の様子を綴ってきたが、それもようやく今回で終わりである。小さなカフェ最後にして最大の見せ場である外壁を仕上げるときがやってきたのだ。

左官の仕上がりには、無限の可能性が感じられる。左官仕事は、古代から世界の様々な地域で、建築の主要な仕上がりを担ってきた。

小さなカフェの作り方その7大直し

注)この話は2019年1月頃の事です

さて、前回内側に編んだ竹小舞に、今度は内側から荒壁を塗る作業。外を塗った時と同様に、竹小舞に荒壁土を塗り込んでいく。

小さなカフェ 番外編


そうそう、ここら辺りでそろそろ、このカフェのオーナーのことについて触れねばなるまい。オーナーはユーチューバーである。工事中、やたら頻繁にiPhoneで動画を撮っている方だなあとは感じていたのだが、どうもそれがユーチューブに上がっているらしいということが分かってきた。

小さなカフェの作り方その6

まだまだ続く土壁塗り

注)これは2018年12月の話です

土壁塗りは、まだ終わったわけではない。前回は外部を塗っただけで、次は内部の壁を作る。

外の荒壁が乾いた時期を見計らって、内部のえつりに入る。

小さなカフェの作り方その5

土壁を塗る

注)これは2018年12月の話です

この日、朝早くから現場に続々と集まる職人達。K山左官を筆頭に、大工や左官、さらにこの店のオーナーまでも。荒壁を一日で一気に塗ってしまう必要があるために人手が要るのだ。

小さなカフェの作り方その4

壁にえつりを編む

屋根が出来たら、次は壁だ。ここの壁は円いので、どう仕上げたらいいのかが課題であったが、それはK山左官が一瞬のうちに解決したことは、先般お伝えした通りだ。→ジュリー珈琲制作秘話

小さなカフェの作り方その3

屋根に桧皮を張る

そして、出来上がった円錐屋根に張るのは檜の皮、いわゆる檜皮葺(ひわだぶき)だ。檜皮葺といえば、古式ゆかしい神社などの屋根に張ってあるあれだが、あれとは使っている材料は同じだが、同じではない。もっと簡略化して葺いている。

小さなカフェの作り方その2

前回からの続き、今回は屋根を作るところからの始まりだ。

とんがり屋根作り

屋根作りは、かなりの難所である。図面はかなり細かく書くのだが、最終的に寸法が出せない部分があり、そこは現場合わせで苦労して作り上げた。

小さなカフェの作り方その1

ではここら辺で、この円いカフェの製作工程を、順を追って説明していきたい。

まずは、このカフェの完成イメージを見ていただこう。

ジュリー珈琲制作秘話

秘話といっても大した話はない。

このジュリー珈琲(以降、小さなカフェと呼ぶ)のオーナー様から連絡があったのは、かれこれ一年以上前の話だ。なんでも自宅の庭に小さな小屋を建てて、そこでカフェを始めたいと言うのだ。最近スモールハウスづいてる私としては、飛び上がらんばかりの楽しいお話である。

小さく作る円いカフェの話

事後報告になるが、去年の暮れに着工し、今年3月に完成した、タイニーハウス的な店舗のことを書こう。

そう、それはもう完成していて、お店はすでに営業を始めている。その名も『ジュリー珈琲』

伊賀の石場建ての家(7)石を据える

新年明けましておめでとうございます。

さて、いつから止まっているのか分からないくらい、ブログ更新が滞っていたが、またボチボチ再開したいと思います。

台風での強風被害

とんでもなく暑かった今年の夏、気がついたら朝晩はぐっと冷え込み、日中も過ごしやすい季節となった。

皆さんもご存知の通り、この夏は西日本豪雨に始まり、台風21号、そして北海道の地震と災害が多かった。被災地の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。そしてここ三重県でも、7月末の台風19号、そして関西で猛威を振るった21号の強風で、様々な被害があった。ニュースでもあったが、家の屋根が丸ごとめくれて飛んでいったところもあった。

ここではそのうち、自分が調査して来たものをちょろっとご紹介する。

伊賀の石場建ての家(6)環境負荷の低い石場建ての家

 

さて、伊賀の石場建ての家は、その名の通り石場建てだ。その石をどう据えるか、柱との取り合いはどうするのか等々、Shigezo氏は何枚も図面を描き、その度ごとに我々職人と打ち合わせて、連日頭を悩ませ続け、そしてとうとう仕様が決まって、本工事に入る運びとなる。

Shigezo氏のWebサイトはこちら→シンプルな杉の家

 

現場で建築位置を確認

 

石場建てにする理由

 

さて、これは前回にも述べた通り、それこそが環境負荷の低い家づくりだからである。たくさんのコンクリートを使うのは大変なエネルギーを消費している。そして石を据えてその上に家を建てるのは、昔ながらの伝統的な家づくりだ。ハイテクではない、ローテクである。そのローテクこそが持続可能な社会での家作りとなりうる。そして耐震上も決して不利にはならない。石の上に固定せず建てることは、ローテクな免震構造となる。

 

以前建てた松阪の石場建て現場

 

もう一つ、地面をコンクリートで覆わないことにも意味がある。大地の呼吸を止めないようにすることだ。それについてはまた後日詳しく書きたい。

 

基礎石が搬入される

 

時は2017年初冬。いよいよ基礎工事がスタートした。石を据えるのは、いとか工務店の今西さん。ニックネームはユウ君だ。

 

ユウ君は木神楽で建てた松坂の石場建ての家のお客様。土木会社の凄腕オペレーターであったが、現代土木に希望を無くし、自然と向き合う脱コンクリートの土木会社を一人立ち上げる。この伊賀の現場は、彼が独立してからの初舞台でもある。

 

 

 

ユンボに乗らせたら、おそらく右にも左にも出る人はいないだろうと思われるくらい、まるで自分の手足のように使いこなす。

 

 

現場に掘られていく穴、そして搬入された焼き杭。これから何が始まるのかは次回に続く。

 

 

伊賀の石場建ての家(5)持続可能な社会での家作り

さぁ、しばらく更新してなかった伊賀の石場建ての家について、どんどんといこう。

今までのブログ続きは、こちらをご参照あれ→ 伊賀の石場建ての家  

 

 

今回の伊賀の石場建ての家は、ヨットから古民家再生まで設計する建築家Shigezoの設計によるものだ。

ここでは彼の考え・ポリシーに基づく設計理念について触れてみたい。

 


 

 

前回に書いた地盤調査で、しっかりした地盤であることが判明。そして自然との共生をテーマとする今回の家づくりにおいて、石場建てになるのは自然の流れであった。もちろんそこには、Shigezo氏の綿密な計算と、何よりもお施主様の深い理解があったからに他ならない。

Shigezo氏の設計のコンセプトについては、このページに詳しく書かれている。

 

シンプルな杉の家/中村茂史一級建築士事務所

 

 

 

持続可能な循環型社会を目指して

 

彼の設計は、まずは理想的な社会はどうあるべきか、というところからスタートしている。彼も、そして私たちも目指すところは、持続可能な循環型の社会であることだ。この地球は、我々人間だけのものでは無いし、そう思ってこのまま環境破壊し続ければ、結局のところ自分達が手痛いしっぺ返しを受けることになる。動物も植物も共にこの地球上に生きる仲間だ。もちろん生きていく上で彼らの命を頂戴するのだが、そこには決して驕りがあってはならない。

 

 

さてさて話を戻して、現在の日本には戦後に植林された大量の杉の木が、伐採期を迎えている。それらの木を切ることは環境破壊にはならない。その杉の木を有効利用して、構造・仕上げ材だけに留まらず、断熱にも利用して、なるべく建材類を使わない環境負荷の低い家づくりであるのが、彼の手がける家の特徴だ。それらの家は非常にシンプルでしっかりした構造であり、良質な住宅ストックとなるのだ。

 

 

 

ちなみに彼は、古い茅葺の古民家に住んでいる。現在の日本では、無理に新築しなくとも程度の良い古民家はたくさんある。それらを改修して住めば、それが一番環境負荷が少ないであろう。そもそも人間の経済活動自体が、地球環境には良く無い。しかしそんなことを言ったら何も出来ないので、少なくともこの地球に住まわせてもらっているという謙虚さを持って、生きたい。