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四日市の町家再生⑤ 解体始まる

さあ、四日市の現場の続きに戻る。
工事に先立って、先ずは中の荷物の片付けと、改修部分の取り壊しだ。
ここは、お施主様が頑張って行われた。
沢山あった荷物や家具は、ゴミに出したり、不用品引取り・お友達に貰ってもらうなどして、処分。
解体もお施主さんが中心となり、御手伝いを含め、進行。
普段デスクワークのお二人にとっては、大変な作業であったと思われる。

奥の離れ屋。プリント合板などの建材は全部剥がす。

中庭の下屋根部分は、作業性を考え、両側の壁と、風呂周りのコンクリート壁を残して、あとは解体。


そして、いよいよ我々の工事が始まった。
工事する場所は、主に中庭に面した水周りの部分。3尺巾の通り土間を抜けなければ、ここへはたどり着けないのだ。
どういうことかというと、大きな機械での作業は出来ないということ。
よって、基礎工事から、手で穴を掘ってコンクリートも手で練って、という人海戦術なのだ。

そしてさらにそこからが難しい所だ。既存のコンクリート壁や梁の上に柱を立て、屋根を掛けるのに難航する。

何故なら、古い家は、ちっとも真っ直ぐ建っていないし、高さも下がっていたり、カネも出てない(いわゆる90度でない)。

よって寸法を出すのに時間が掛かる。が、リフォームとはこういうものだ。


この複雑な増築の棟梁を務めたのは、叩き上げの大工、橋本君だ。そこをある時はボーダー、ある時は大工の坂下さんが補佐する体制で進めた。

 

そして、いよいよ屋根まできた。


この日は、鳥羽の現場で仕事をしていた弟子の桝屋も呼び寄せ、自分も参加していっきに屋根を仕上げる。

ここまで来るのに苦労したので、皆嬉しかったと思う。
もう、建前みたいに屋根から餅まきしたかったくらいだ。

これでようやく、中の造作工事へと進めるのだ。

つづく

 

 

静岡遠征日記② 富士で土壁を塗る

さて、この北山さんの現場でも活躍するのが、流浪の民ならぬ、流浪の左官、小山氏だ。

 


髭のクマさん小山さんと、ハンチング帽がトレードマークの北さん。

 

 

ここでも当然ながら、荒壁は、1年以上藁を漉き込み寝かしてある。もちろん編み上がったえつり竹も自分達で切ってきたものだ。

 

 

今回は、公開イベントなので、参加者が続々と集まってくる。


子供たちも来ていて荒壁付けの講習のあと、一緒に土塗りをする。

 

ちなみに子供達が塗っている場所は、土壁が見えなくなる箇所だから、まあちょっとくらいデコボコでも問題ない。

 

 

 

 

さて我々三重組は、せっせと荒壁塗りのお手伝い。前田は、左官屋顔負けのコテさばきでドンドン壁を塗り付け、sigezoは、せっせと荒壁を運び、自分は、主に土差しをする。土差しというのは、土を塗っている人に、土を受け渡す役割りのことだ。



お昼を挟んで、夕方迄お手伝い。

土塗りイベントは、翌日の日曜こそが参加者も多いメインの日だ。
が、次の日予定のある我々は、涙を飲んで帰宅するのであった。

おわり。

静岡遠征日記① 富士で見た屋根瓦

それは先週土曜のこと。
静岡で、土壁付けワークショップがあるというので、参加してきた。

主催者は、北さんこと大工の北山さん。
松阪の土壁の家で、わざわざ静岡からやってきてくれた大工さんの現場だ。→ 松阪の土壁の家⑦荒壁ワークショップの巻

わざわざなんで遠い静岡まで行くの?
それは、もちろんうちの現場に来てくれたらから、そのお返しなのだ。ここにはお金のやり取りは発生しない。手伝ってくれたら手伝って返すのである。
そして何より、生粋の伝統構法住宅を建てている彼の現場を見たかったからというのもある。

木神楽の軽バンに、おなじみヨットから古民家まで手掛ける設計士sigezo、先日独立した大工の前田の二人を乗せ、いざ出発。

現場の富士市までは、約3時間で到着。そして久し振りに見る北山さんの建築に圧倒される。

 

北さんは、基本的にでかい材料で家を作る人だ。そして余計な細かいことをしない。


本人の中では、建て前が終わった時点で、もう家の建築は9割がた終わっているらしい。それくらい構造体に力を入れている。

 

北さんお得意の越し屋根。ここは換気スペースであり、ロフトにもなる。スタイルもかっこいい。
そして何よりこの瓦。

昔ながらのだるま窯で焼いた、手作りの瓦だ。1枚1枚の色が違う。よって何というか、工業製品でない手作り感のある、つまりそれは、ゆらぎを感じられる屋根なのだ。

それは、新築なのにまるで古民家のようだ。
それはそうだろう。昔ながらの製法で作っているのだから。今ある古民家の屋根瓦と同じ製法である。

今の一般的な新築の瓦は、合理化されたシステムによって作られ、品質も安定し丈夫、みな色が揃って、と文句のつけようが無い。
ただ、昔ながらの味わいはあまりない。

さあ、瓦ばかり見てないで土壁を塗ろう。

つづく

 

 

四日市の町家再生④ 設計の巻

今日は、現在進行中の四日市の現場の話。

どこの現場でも同じだが、まずは設計。
リフォームの場合、特に古民家再生は現場を詳しく調査する必要がある。長い年月を経ているので、老朽化、腐食、屋根、そして地震に対する耐力などを勘案し、再生計画を練る。

 

改修前ダイニングキッチン。

地震に対しての耐力計算だが、伝統構法の場合、限界耐力計算法というのを用いる。
かなり専門的なので、ここはsigezoの出番だ。
sigezoは、ヨットから伝統構法の家まで設計するスーパー設計士である。

 

さて、建築には当然予算がある。その予算内でどこまで出来るか、そしてどこまで直せるかが勝負どころだ。
改修工事というのは、新築に比べて遥かに手間暇が掛かるものである。
さて、その設計については、sigezo、お施主様含めて、随分と時間を掛けて検討した。

 

今回は施主様がデザイン関係なので心強い。

ここで、ちょっとお施主様のお仕事について詳しく述べておこう。
奥様がインテリアデザイン、旦那様がグラフィックデザイン関係である。
奥様は、建築関係ということで、現場のことを良く分かってらっしゃるので、打ち合わせの段階から、随分と助けていただいた。
旦那さんは、デザイナーらしく、ものすごく細部までこだわりがあり、ちょっと大変だが見習う点が多い。
とにかくそういうお施主様ご夫婦なので、内部の間取りから照明、家具の配置、コンセントの位置に至るまで、素晴らしく完成された図面を、ご自分達で作られるのだ。

こんなプロなお施主さまは未だかつていなかっただろう。

 

ちょろっとその完成された図面をご紹介。
これは電気図面。 恥ずかしながら、こんなに分かり易い図面は初めてかも。

 

この家での設計のポイントは、老朽化した水周りと耐震の改修だ。
他の箇所はなるべく触らず、キッチンや風呂、トイレを使いやすく作り直すことになった。

耐震については、計算して耐力の足らない箇所に壁を増やす。奥行き方向は耐力になる壁が多いので、大丈夫だが、間口方向は壁が少ないので、既存壁を補強し、さらに追加で耐力壁も設ける。
耐力壁は、ここでは構造合板を利用する。

さあ、仕様が決まれば、いよいよ工事に取り掛かるのだ!