伊賀の石場建ての家Web内覧会〜こだわらない家造り?

作る側のエゴを押し付けてはならない

工法とか材料にとらわれて、柔軟な発想の家作りができない、他人から見たら些細なこと、気にしなくてもいいことまで気にする、そんなこだわりの家なら、こだわらない方がいい。

材料・工法はその時々で柔軟に対応し、しかし、一つ一つに信念を持って、材料を選び、そして職人が作る。安易な妥協はすべきではないが、決して作る側のエゴで家作りをしてはいけでない。

さあ、そんなウンチクは置いといて、伊賀の家の『こだわり』の点をご覧あれ。

こだわりの風呂

伊賀の家は、わざわざ別棟にして風呂を作った。これは建築家しげぞー氏の定番スタイルである。このように作る昔ながらの風呂は、メンテナンスのことを考えて、別棟にするのが良い。

外の景色が良く見える開放的な浴室。壁はヒノキ、浴槽は高野槙製。
床・腰は、十和田石張り。
周りをぐるりとウッドデッキが取り囲む。夏はここで風呂上がりのビールかな。
夜、外の木々をライトアップすれば、ここはもう一流旅館の露天風呂。

大工のこだわり造作

ここの大工工事を任せた丹建築、丹羽棟梁の仕事の一部をお見せする

何気ない本棚だが、イモ仕事ではなく、ひとつひとつ丁寧に彫り込んで作り込んである。
廊下のコーナー部分の納まり。
このキッチン家具は、建具屋さんと丹羽棟梁の合作。
建前直後のこだわりの木組み。深い軒は建築家しげぞーの定番スタイル。
鼻栓で組まれた足固め。伝統工法にはぴったりの、粘りのある仕口だ。

こだわりの漆塗り

この家の漆塗りは、私が担当した。塗りつけた漆を拭き取り、それを何回も繰り返す『拭き漆』だ。比較的簡単に塗れる。が、下地によって漆の乗り具合が変わり、更には色が後から出てくるので、ムラなく塗るのは結構難しい。

脱衣室の床は、漆塗り。漆は最強にして最古の天然塗料だ。
洗面台は、もちろん丹羽棟梁作。ここにも漆を塗った。
トイレの床も漆塗り仕上げ。漆を塗ると深い色ツヤが出て、水をよく弾く。これらは拭き漆という仕上げ方法だ。

これで、この家の紹介は一段落だが、もっと見たい方はこちらをどうぞ。

→作例 伊賀石場建ての家

 

そしてこのような、こだわらないこだわりの家を建てたい方は、建築家しげぞー氏にご相談を。

→中村茂史一級建築士事務所の作る『シンプルな杉の家』はこちらから

高橋一浩
  • 高橋一浩
  • 大工歴30年、小さな工務店大工社長が綴る独断と偏見のBlog。
    《木神楽》青山高原の麓に工房を構え、木と土の家・古民家再生・タイニーハウスなどを主に手掛ける。お役に立てることがあれば、何でもご相談を。